サライは焦っていた。
あれから10年。何も変わらなかった。
わが家は祝福され、星の数ほどにも増え広がるというのに・・・・
彼女は悩みぬいた末、エジプトから連れてきた女奴隷ハガルを、夫の側女として与えることにしました。
若いハガルはすぐ子供が授かり、サライはほっとします。
しかし、日に日に満ち足りてゆくハガルを見るにつけ、サライは、自分の存在を否定されているような気がしてなりません。
そうして、ハガルの立ち振る舞いのことごとくが、自分を見下げているように感じられました。
堪りかねたサライは、アブラムに言います。
「あなた、ハガルを叱ってくださいな。
あの子はわたしが主人だということを忘れているんだわ。
あなたも、あなたよ。ハガルに甘すぎますよ!!」
アブラムはそんな妻の言葉にくさくさしていましたから
「おまえの奴隷じゃあないか。
勝手にするがいいさ!!」
と、突き放しました。
サライはぷりぷりしながら夫のもとをさると、ハガルを自分の目の届くところにおいて、絶えず責め立てました。
ハガルは逃げました。行くあてなどありはしないのに・・・・。
喉が渇き
疲れ果て
荒れ野をさ迷って
泉を探しあて近寄ると、そこに主の使いが立っていました。
「ハガル。どうしたのだ」
主の使いが優しく言いました。
ハガルは心細さから主の使にすがり付きたいほどでした。
「女主人のいじめに耐えられなくて・・」
「辛抱するんだよ、ハガル。
あなたの子孫は神さまに守られているよ」
どっと押し寄せる安堵感に、彼女は涙を流しながら叫びました。
「あなたこそエル・ロイ
(わたしを顧みられる神)です」
ハガルは主の使いの言葉を胸に、主人のもとに戻り、辛さを耐えて男の子を産みました。
名はイシマエル(神は聴いてくださる)
アブラム86歳の初子でした。
・・・・
音声、ありま~す!!
http://www.youtube.com/watch?v=AzYs7AyP6hQ
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サライの苦肉の策から、ギクシャクしてしまったアブラム夫婦、いったいどうなるのでしょうか?
それに、イシマエルですが・・
すべての兄弟に逆らって生きるんですって・・
彼はアラブ人の祖先・・
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あなたの家庭が平和でありますように・・