ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

ヨセフは終始にこやかに彼らをもてなして・・・

執事は通訳の者から彼らが意味もなく怯えていることを聞いて言った。

     「皆さん、心配することはありませんよ。
      袋の中に銀が入っていたんですね。
      わたしはあの時、あなた方から代金の銀はいただきました。
      袋の中のそれは、あなたがたの神さまの贈り物でしょう」

執事は穏やかに言った。

     「さあここです。
      水が用意してありますから、
      手足を洗って、さっぱりしてください。
      あなたがたのロバには飼葉をあげておきますから
      そのまま中へお入りください」

兄弟は今まで見たこともない建物の中に恐る恐る入っていった。

      「にいさ〜ん!!」
暗闇の向こうから、シメオンの元気な声が聞こえ、
足音と一緒に、ルベンの胸に飛び込んできた。
控の間に案内されて
あらためてシメオンを見ると、
彼は別れたときよりも色艶もよく、健康的だった。

兄弟たちはロバから下ろされた荷物を点検し、
宰相への贈り物を整えて、陽が高くなるのを待った。

宰相が部屋に入ってきた。
彼の立派な姿に今回も彼らは、
彼の顔をはっきりと見ることが出来ず
ただひれ伏しているだけだった。

そんな彼らの最後尾に弟ベニヤミンの姿を見届けて
宰相ヨセフの胸は詰まった。
急いで別室に行くと彼は泣いた。

やがて、食事の支度が整うと、顔を洗ったヨセフが現れ
長男は長男の席に、弟は弟の席に、きちんと坐らされたので
彼らは驚いた。

贅を尽くした料理の数々・
見るとベニヤミンの前には、他の兄弟の五倍もの料理がならんでいた。
ヨセフは終始にこやかに彼らをもてなし、
時折じっとベニヤミンに目を注いでいた。

その夜は彼の家に泊まらされて、翌朝早く家を出た。

ところが彼らがいくらも行かないうちに
     駆けて来る人があって、

     「おおーい、おおーい」

     と呼び止められた。

それは親切にもてなしてくれた家づかさだった。

しかしこのときの彼は怒っていた。
聞けば、ご主人の銀の杯がなくなったというのだ。

     「それで、私たちが盗ったと・・」
兄弟は顔を見合した。
明らかに濡れ衣だ。

     「私たちは前回袋に入っていた銀も、
      今回正直に持ち帰ったんですよ。
      でも、疑いを晴らすために調べてください。
      もしこの中の誰かが盗ったのなら、
      その者には死を、我々は奴隷になりましょう」

兄弟はそれぞれの袋を地面に下ろして、口紐を解き始めた。

      「あっ!!」

後のほうで、ベニヤミンの声がした。