ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

神は私だ・・

・・ますます苦しくなるイスラエルの民・・                                   


新しい王にかわったとはいえ
モーセは前科者
エジプトに入ることさえ命の危険が伴ったのですが、

神さまの追い風と、
イスラエルの人々の熱狂的な声援に送られて
モーセとアロンはパロの宮殿を目指した。

そして彼らは今,王の前に立っていた。

モーセの手には荒野で羊を追い回した時の
節くれだったみすぼらしい杖が握られているだけだ。

その姿は宮殿にはふさわしくなかったが、
犯しがたい何かが二人をとりまいていた。

アロンは忠実にモーセの言葉を伝えた。

    イスラエルの神は言われる。
     わたしの民を行かせ、
     荒野でわたしのために
     祭りをさせよ」

それは奴隷イスラエルの言うべき言葉ではなかった。


パロは青筋を立て、半ば呆れながら言った。

   「イスラエルの神だと?
    神はわたしだ!!
    エジプトの王パロが神なのだ!!」

王はけんもほろろに彼らを突き返すと
鋭い言葉で家臣にいった。

   「奴隷たちに伝えよ。
    もはやレンガのための材料を渡すな。
    自分たちで集めよ。
    収める量は今までどうりだ!!」

たちまちイスラエルの人々は悲鳴を上げた。
民の代表が王に苦情を訴えると
王は言った。

   「あれもこれも
    あの二人のせいではないか!!
    怒るなら彼らを怒れ!!」

王は荒々しく玉座を立った。

こうしてイスラエルの希望として迎えられたモーセ
たちまち民の批判の中の標的となった。

わたしのやり方は間違っていたのだろうか?
わたしは神さまのおっしゃるままにやったのだ。

パロが拒むことは、初めからわかっていたことだ。
同胞にもそれは伝えてあった・・
しかし、
同胞に降りかかった苦役はモーセの想像を超えていた。

そして、同胞は冷たくなるだろうと神さまはおっしゃった。
まさにそのとうりになった・・・

結果を受け入れながらも
鮮やかに手のひらを返した同胞の冷たい視線に
モーセの心は一瞬ひるんだ。

彼は
アブラハム、イサク、ヤコブの神が、
イスラエルの民に約束したことのために
そのことの故に選ばれた己の責任の重さに呻いた。

目を上げると
薄曇の雲の間から一条の光が漏れ光っていた。

その光を見つめるモーセの心は
吸い寄せられるようにまっすぐと神に向けられていた。

妻と息子をミデヤンの父の元に帰そう。
身の危険を感じて、モーセはそう決めたのだった。