ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

紅海をわたる・・


                               

神さまが約束してくださったカナンの地は
地中海に沿って北進すればたいして遠くはありません。

でもその地には先住民がいましたから
    「ここは神さまが私たちに与えられた土地だからどいて」て言ったって
簡単に譲ってくれるものではありませんよねぇ・・

一応武装して出エジプトしたそうですが、お粗末だったはず。。
体力はあっても・・・奴隷気質が尾を引いていたはず・・

神さまは、荒野の端エタムに野営したイスラエル
ラメセスの近くにひきかえすことを命じました。

そして、ミグドルと海の間、ビハヒロテの前、バアルゼポンに野営しました。
            (その場所ははっきりとはわかってないみたい・・)
荒野で行きつ戻りつしているイスラエル
鵜の目鷹の目で見ていた人たちの口から
パロの耳に届いた言葉は
    「イスラエルの民が荒野で迷い、閉じ込められた」
というものでした。

しかしこれは、神さまの手の内でした。
誇大なエジプトの力を弱めるために、エジプトに誘いをかけたのです。

パロは誘いに乗りました。
  
  「よし、出陣だ!!奴隷たちを逃がすな!!連れ戻すのだ!!」

パロはそうせずにはおられませんでした。
なぜなら、今まで奴隷たちがしていたあらゆる事柄がストップし
エジプトは大混乱の中にありましたから・・・。

王自らが立ち上がり
選び抜かれた優秀な兵士と戦車600台が
全速力でイスラエルを追いかけました。

迫り来る土煙と海鳴りのような轟きに
バアルゼポンに野営していたイスラエルの民は震え上がりました。

エジプトの戦車の、驚異的な強さと恐ろしさを知っていましたから。
民は悲鳴を上げ、逃げ場を求めて前進しようとしましたが

ああ、無常・・

前は海、進む道はありません。

民はモーセのもとに殺到します。
    「我々を車輪の餌食にするつもりか!!」
    「エジプトには我々の墓がないから、この荒野で死なそうというのか!!」
    「奴隷のほうがまだましだったのだ!!」
人々の不満はモーセとアロンを包みました。

アロンは一段、高い所にたつと、声を張り上げました。

'''''「恐れるな!!静かにせよ!!'''''

無言で立ち上がったモーセは、杖を海にかざしました。

すると突然、突風が吹き出して
一晩で水が分かれ、屏風のように堰き止められ、乾いた道が現れました。
火の柱があたりを昼のように照らし出して
かって目にしたことの無い水の壁を浮き立たせています。

臆する民にアロンは告げます。

   「進めえ、進むのだ!!
    後を振り返るな!!」

一人の女が髪も服も振り乱して、のめるようにその道を走り出すと
顔を引き攣らせ狂気のようになった群衆が、我先にと後を追います。

雲の柱は最後尾に移りました。
雲は光を遮り、闇が戦車を包みます。



モーセは杖をおろしました。
民が渡りきったのです。

すると風はピタリと止み、留まっていた水の壁が砕け散り
追い迫る戦車の上に覆いかぶさって押し流しました。

その凄まじさにイスラエル人は立ちすくみ
神さまの力の偉大さに慄き振るえ、
思わず両手を合わせて目を閉じました。


爽やかな風が優しく吹いて、目を開けると
昇り始めた太陽の光が、波頭をキラキラと輝やかせ
遠く水平線が弧を描いているだけでした。

ちゃぷちゃぷと打ち寄せる波音が、足元を洗ってくると

何処からともなく歌声が沸きあがり、野火のように広がってゆきました。

    「ペリシテ人も、エドムやモアブもカナンの地も
     我々に成された神様の業を知ったら驚き恐れるでしょう」

その歌声の中心に、アロンの姉、女預言者ミリアムがいて
軽やかに羽飛びながら、タンバリンを打ち鳴らし
澄み切った声を張り上げて、
神さまを讃えておりました。

     「エジプトの鎖を粉砕し
      約束の地
      乳と蜜の流れる地
      祖父たちの願望の地へ行こう!!

ひときわ歌声が高くなりました。

しかし、彼らは知りませんでした。
その足は確実に
約束の地に背を向けて歩き出していたことを・・・・。