ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

影のように引きずられて・・・

書き終わってから・・

次回は、神さまと親しく交わって行くために
清めの規則を書きますって言ったよね。

ごめんなさい。(~_~)
モーセの気持ちを思っていたら
こんな内容になってしまって・・・・

・・・・   
長い一日だった・・・
モーセはアロンと別れ、自分の天幕へと向った。

夕餉の煙が幾筋も立ち上る中を彼は歩いた。
ふと立ち止まって振り返ると
幕屋があたたかく夕陽に染まって
それを慕うかのように自分の影が長く伸びていた。
「あなたが共に進まれなければ私たちは進めません。
私の命と引き換えに民を導きたまえ!!」

 
彼は心の中であの時の事を復唱した。
                           
あの山で神さまは私の願いを聞き、民のためではない
モーセ、お前のゆえにそのようにしよう、
とおっしゃってくださった。

今や24時間、交わりの出来る天幕が与えられ
シナイ山に登ることもなくなった。
      

思い返せば
パロの娘に川の中から救い出され
奴隷の子であったにもかかわらず
エジプトで最高の学びが許され
人生はばら色だと思っていた。

若かった・・・

それから、追われる身となり
傷心の心で転がり込んだミデヤンの地で
祭司の娘チッポラと出会い結ばれた。

舅から任された羊達を連れて、
日がな一日、ぼんやりと過ごす日々が身に染まって
それで良いと思うようになった。

子どもも与えられ、
広がる台地に
羊達の立ち上げる土埃に
自分の過去は霞んで消えようとしていた。

そんな時だった。
あのシナイ山で不思議な炎に出会ったのは。

自分個人の幸せのためでなく
民のために立ち上がれ!!

命からがら逃れた地で
神さまは私に声をかけてくださった。

私の心は弱気になっていたから
代弁者兄のアロンを与えられ
彼と共に
難局を乗り切って来た。
自分が引きずり込んでしまったんだ・・
モーセは兄にすまないような気がした。
そうして、よくも自分に仕えてくれるものだと思った。

いや、この影のように
神さまに引きずられて二人、ここまで来たのだ・・

モーセは闇の中に溶け込んでゆく、長く伸びた己の影を、慈しむように見つめなおした。

きびすを返すと、沈んだばかりの太陽の余韻が空の片隅に残っていて、大きな星が一つ、彼を見ていた。

辛苦を共にしたアロンと一緒に、必ず約束の地、乳と蜜の流れる地へ行くぞ、とその星を見返しながらモーセはつぶやいた。

その耳元にチッポラと子供たちの笑い声が聞こえたような気がして、広がる闇の中で彼の足が速くなった。