ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

偵察隊の報告に引き回される民

さて、モーセの命令によって、各部族から選ばれた12人が、偵察隊として組織されました。
モーセは彼らに行くべきルートを指示すると、彼らは夜、密かに旅立って行った。

まずネゲブに行って山に登り、チンの荒野からハマテの入り口に近いレホブまで探りを入れた。

40日間、探り回って、カデシにいるモーセの元にぶじに戻ってくると、
会衆を集めて報告会を開きました。
お土産は、エルシコの谷で採ったとても立派なぶどうや
ざくろやいちじくだった。

会衆は彼らが持ち帰った立派な果物に目を見張り
手を叩いてその労をねぎらった。
ある者は感激して泣き出す者さえいた。

偵察隊員は次々と巡り歩いた土地の報告を続けていたが、
話が進むほどに、会場には重苦しい空気が漂いだした。

と言うのも
ネゲブの地にはアマレク人が、山地にはヘテ人、エブス人、アモリ人が
海辺とヨルダンの岸辺にはカナン人が住み
町の城壁は堅固で非常に立派だというのです。

民の中から落胆の深いため息が起こり、
それが波紋のように広がってゆきました。

そんな会場の雰囲気に耐え切れず、
隊員の一人カレブは、会衆の前に両手を上げながら叫びました。
「皆さん聞いてください。
 今までの話はとても否定的で、あなた方の心を萎えさせるものでした。
しかし、私の見方は違います。
私たちは必ず勝利できます。
若者達を訓練すれば大丈夫です。
彼らは豊かな暮らしの中でダレきっています。
我々はあの強豪なエジプトを振り切って、
荒野で鍛えられています。
我らの肉体と心は強くなりました。
行きましょう!!
心を一つにするのです!!
団結すれば、そこに勝利の実を収穫できます。」

若々しく張りのある彼の声に、集まった人たちの中に再び望みの灯をともしたようにも見えました。
しかし、それを聞いた偵察隊の仲間は彼を引き摺り下ろそうとしました。
「皆さん、地に足をつけて考えてください。
カレブはまだ若い。ものの見方が未熟だ。
我々は今、食べるものにも窮し、その日暮らしの生活だ。
何が出来ますか?武器はなんですか?
年寄りや、女子どもをこの荒野に置いて、
なんで、彼らと戦えますか?
彼らは身体も大きく、巨人の子孫アナクもいます。
我々は彼らの前ではイナゴのようなものです」

その日の報告会は散々でした。

民は眠れぬ夜を過ごし、泣き声が野営地を覆いました。
次の日になると、民はモーセとアロンの元に集まってきました。
彼らの眼は血走り、その口からは二人を非難する言葉しか出てきませんでした。

そうして彼らが最後に言う言葉は決まっていました。
「エジプトはよかった。
 我々はあそこに居るべきだった。
 神様は我々を強靭な敵の手に倒れさせ、
 妻子を奪い去らせようとするために引っ張りまわしたのか
 さあ、新しい指導者を立てて、エジプトへ帰ろう」

ヌンの子ヨシュアとエフンネの子カレブは民の不信仰を嘆き
怒りをこめて、着ていた着物をビリビリと引き裂き
手を振り上げて民を励ましました。

しかし民は彼らの声には耳を貸さず
石を手に迫ってきたのです。

その時、神様の栄光が会見の幕屋からイスラエルの人々の前に現れました。
そしてモーセに語りました。
『私はもう我慢がならない、この愚かな民を滅ぼして、
モーセ、あなたに従ってくる者たちから強く偉大な国を造ろう』
モーセは慌て執り成しをしました。
「神様、今約束の地を目の前にしてこの民を滅ぼしたら、
 出エジプト以来、あなたに注目している異教の人たちはなんと思うでしょう。
 あなたの偉大さを知らしめるためにも、この民を見捨てないでください。。
 あなたは怒ることに遅く、恵みに満ちたお方です。
 どうかあなたのその大きな恵みによって、この民を約束の国に導いてください。」

しばらくの沈黙の後、神様は語られました。

それは非常に厳しいものでした。
そうしている間にも、人々を先導した偵察隊員が次々と倒れて死んでゆきました。

民はモーセから事情を聞くと非常に驚き、そして慌てて作戦を立てた。
その作戦に、モーセは驚いた。
「待ちなさい。
 前回は行けと言われたが、
 今回はそうではないのだ。
 おまえたちはまだわからないのか。
 神様は怒っておられるのだ。
 イスラエルの民はこの荒野で40年間過ごすのだ。
 お前達はこの荒野で、自分の信仰のとうりに死ぬのだ。
 約束の地に行けるのは、お前達の子どもたちなのだ。」
それでも民は焦っていた。
次の日になると、人々は続々集まって山を越えようとした。
しかし、彼らを守ってくれる契約の箱とモーセとは動くことはなかった。