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ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

赤いリボンの約束は・・

ヨシュア記

    
ラハブは乱れた髪を手櫛でたくし上げると、くるくると手早くまとめ
母が継ぎ足してくれたお茶を口に含んだ。

程よく冷めたお茶の優しい香りが鼻腔に上り
彼女はひびが入って茶渋に染まったコップを両手で包み
伝わってくる柔らかなぬくもりをゆっくりと味わっていた・・

   「どうしたんだい、何を言いたいんだい。
    いっくら暇だからって
            わたしも忙しいんだからね・・」

母は娘がなかなか口を開かないので
            少しいらついて言った・・

   「お母さん、ビックリしないでね。
    わたしもまだ、落ち着かないんだから・・」

   「わかったよ。
    わかったから、もったいぶらないで話してごらんよ」

母は両手をテーブルの端にかけて、神経質そうにトントンと叩いた。

   「さっき見せた赤いリボンだけど・・・
    あれ、イスラエルのスパイが置いていったものなのよ」

ラハブの母は揺らしていた体をピタリと止めて、
    娘のはれぼったい顔をビックリしたように見つめた。

    「あの日、
     朝からイスラエルのスパイが城壁を潜ったって騒いでいたから
     夜、彼らが入ってきた時すぐ分ったの・・・・スパイだって・・
     見慣れない顔だったし・・
 
     乱暴をしそうにも見えなかったけど、怖っくて
     黙って夕食の残りものを出したんだけど・・

     すぐに誰かが、見張りの兵士に知らせるだろうと思ったから・・
     そのまま屋上に置いてあった亜麻の茎の中にかくまったの。

     そしたらすぐ兵士が来て
     イスラエルの男が二人来たはずだから出せって
     どなるじゃあないの・・」

ラハブはお茶をすすた・
母はその娘の指先を見つめた・
わたしの子にしては綺麗な指だっと思いながら・・

    「ビックリしたわよ。すぐだったから・・
     そしたら、いつも来る奴らじゃあないの
     だから、
     来たことは来たけど、門の閉じる頃に出ていったって
     言ってやったのよ。

     あいつら私のところに来たって
     お茶代も払わないんだから・・

     そしたら奴らは慌てて飛び出していったわ・・」

    「お前、兵隊さんに嘘を言ったのかい。
     よくないよ。
     そりゃたまには、ただ働きかもしれないけどさ
     色々、面倒を見てもらってもいるんだから
 
     それに、あの恐ろしいイスラエルの奴らをかばって
     何の得があるのさ・・
     
     お前も聞いているだろ
     エジプトの大きな川を、歩いて渡ったってゆうじゃあないか
     歩いてだよ・・
     こっちでは、ヨルダン川の向こうの人は皆殺しだってよ。

     あいつらにはとてつもない守り神がついていて・
     荒野で40年間いたのに生き延びてきたって・・

     何でそんな奴らをかばったのさ・おお怖い」(゚Д゚|||)

母親は自分のストールを、ぎゅっと首に巻きなおした。

    「でしょお、お母さん。
     私だって怖かったのよ。
 
     それでも、スパイが入り込んだってことは
     この町も攻められるってことだし
     勝ち目はないってことも分っていたから
     頼んでみたの・・」

ラハブは底に茶葉が薄く澱んだコップを持ち上げて
その液体を喉の奥に押し込んだ。
冷えっきたお茶の滴が喉深くに落ちてゆくのがはっきりと分った。
ぶるっと身震いをしてラハブは続けた・・

    「私が嘘をついて助けてあげたのだから
     あんた達がこの町を攻めてくるとき
     私とその家族を助けてほしいいて・・」

    「えっつ!!
         そんなことを頼んだのかい・」

母親はビックリして立ち上がった・・
ラハブはそんな母に向って唇に指を立てた・・
そうして、母が椅子に座るのを確かめると言った。

    「そうなのよ・・
     そしたら、助けてくれるって・・
     信じられなかったから、印を頂戴って言ったの
     それがあれよ・・」

ラハブは首をひねって窓の方を向いた。

母はつられるように顔の方向に行くと、
     さっき見たばかりのそれをもう一度見て、触った。

     「このリボンがどうなるんだい・」

母は窓を背にして立つと言った。

     「イスラエルの奴らが攻めてきたとき、
      この赤いリボンのある部屋に入っていれば
      殺さないって・
           そう言ったのよ。
      その代り、
           約束を破ったらパーだって・・」ヽ(´・о・)ノ゙ 


薄暗い部屋の中で
      親子はしばらく見詰め合ったまま動かなかった・・

 ・・・・・・   
 

 果たして約束は守られるのか・・見つめあう二人の心は不安にゆれた。