それは、ギルガルで軍事会議を開いている時でした。
見張りの兵に引き立てられて来た彼らは、ほこりにまみれ、
衣の裾はぼろぼろだった。
日焼けした顔に刻まれた深いしわには、砂塵がはさまり、
長く伸びた髭は絡まりあって固まっていた。
ヨシュアは彼らをさらに近くに招いて言った。
「お前たちは何者だ。どこからやってきた。」
すると、小柄な白髪交じりの男が、
さらに頭をこすり付けるようにして言った。
「私たちは、遠い所からです。
あなた方と、同盟を結ぶためにやってきました」
「同盟だと・・
それは、だめだ・・我々の神さまはおっしゃっている
近隣諸国と同盟を結ぶなとな」
「私たちをよく見てください。
これが、近隣から来た者でしょうか・・」 (´A`。)
ヨシュアもそこにいた人たちも、じろじろと遠慮なく彼らを眺め空かした。
「この通りほこりにまみれ、靴も継ぎが当たっています。
出立の時、新品だったぶどう酒の入った皮袋はすでに破れ、
これも継ぎをしたものです。
ほかほかだったパンは乾燥してぼろぼろ・・
なんでこれが、近隣の者でしょうか・・
同盟がだめなら・・
私たちを、あなた方の手足としてお使いください」
確かに彼らのどこを見ても、この近くの者のようには見えなかった。
そこでヨシュアと長老たちは、
彼らのぼろぼろになったパンを食べぶどう酒を飲み、
新しい食べ物を彼らに食べさせて契約を結んだ。
彼らは、契約が済むと、そそくさと出立して行った。
三日後、契約を結んだ彼らは、近隣の者だったことが
帰ってきたスパイの報告で発覚した。
イスラエル軍はすぐ立ち上がり、事の真相を確かめるべく進軍しました。
三日後に着いた先は南部のヒビ人の町ギベオンでした。
彼らがギベオンの町の代表に詰め寄ると
「あなた方の凄まじい進撃に、
南部でも連合軍の話が持ち上がりました。
わたしたちは、ずっと、注目していたんです。
あなたがたの出エジプトから・・・・
あなた方を率いる神さまに、逆らうことなど、どうしてできるでしょうか。
それで私たちは、あなた方と、同盟を結ぶことを選んだのです。
わざわざ策略を練り、遠路はるばる尋ねてきたかのように演出したのも
そのためなのです」
イスラエルの人たちは騙されたことに腹を立てました。 o(▼皿▼メ;)
「とんでもない奴らだ。
早く始末してしまわないと、神さまのお怒りにふれるぞ!」
誰かが叫びました。
その声に長老が両手を挙げて制します。
「私たちはすでに、神さまの前で誓ってしまった。
彼らに手を出すな。
彼らを傷つければ、その報いは我々に臨むのだ」
ヨシュアも言った。
「彼らは、われらの神様のために水を汲み、
たきぎを集めて奉仕する者となるのだ。
彼らに手を出すな」
それからず〜っと、
彼らは、イスラエルの神さまの神殿で、その仕事をするようになりました。
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神さまはヨシュアがお伺いも立てずに
彼らと契約を結んだことには
特別に何もおっしゃらなかったみたい・・・・
きっと、神さまもそう思っていらっしゃたのでしょうね。
イスラエルの人たちは彼らに騙されたって怒ったけど
ヤコブの時代・彼の息子たちは妹の仇をとるために
ヒビ人を騙したことがありました・・
あれは、悲惨な事件でしたぁ・
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