読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

左利きエホデはやりました!!(*^^)v

エホデはもと来た道を引き替えしていた。
右足の剣はしっかりと固定されて
その役割の来るのを待っていた。
エホデは急いだ。
出かけるとき長老に耳打ちしたのはこのためだった。

貢ぎ物を収めた荷車が無事戻ってきて、
私がいなかったら、
      勇気あるイスラエルの人たちに
      武器を持たせて待機していてほしい
      エフライムの山地でラッパの音がしたら
      それは私が、モアブの王、エグロンをしとめた合図です。
      山を下りて、ヨルダン川を渡り
      一気にモアブ人を倒すのです。

エホデの心臓はどくんどくんとうねり出していた。
手順は何度も反復し、頭の中に叩き込み、
隠し持った剣をすばやく抜く訓練も怠りなかった。
これさえ見つからなければ・・
彼は天を仰いで、神に祈った。

三度目のヨルダン川越えも苦にならなかった。
気がつけばついさっき、愛想なく追い出された城門の前に立っていた。
エホデは生唾をゴクリと飲み込んで、そっと門を叩いた。
顔見知りのさっきの門番が暇そうに顔を覗かせた。
      「う、どうした。
       さっき追い返した奴ではないか」
エホデはあたりをはばかる様にして声を潜め
      「わたしは、仲間から離れ、
       王様に大切なことをお知らせに戻って参りました。
       お取次ぎをお願い致します。」
門番は胡散臭そうな顔をして、覗き穴の戸を下ろした。
それから、あたりはシ〜ンと静まり返って、エホデの心臓の音だけが早鐘のように鳴っていた。

      落ち着け!気取られるな!
      俺は今、裏切り者なのだ!!
      イスラエルの不穏な動きを王に伝えに来たんだ!

彼は一生懸命自分に言い聞かせ、語るべき言葉を口の中で反復した。

      遅い!!
      遅すぎる。
      やっぱり何か感ずいたか。

ゆらゆらと体を揺らせながら、
彼があたりを見回したときだった
なにやら中で声がして、覗き窓が開いた。

      「よし、今開けるからな」

門番は彼が独りでいることを確かめると、
脇のくぐり戸をギシギシ音立てて開けた。
エホデは一瞬たじろいだ。
ぶるっと体が震え、足をもたつかせながら中に入った。
そんな彼を門番は牛追う者のように
長い棒で背中をついた。
彼はつんのめりそうになりながら促されるままに従った。

いくつかのドアを潜り抜け、武器の有無を確認された。
そのたびに彼の心は凍りついた。
しかし、彼の隠し持つ右足の上近くに来ると
検査の手が緩むのだった。

     神様が共におられる

宮殿の奥深くに進むに連れて、エホデの確信は確かなものになっていった。

ついに彼は王の姿を見た。
見晴らしのきく涼しげな部屋で、王はなにやら食べていた。
エホデは立ち止まり、磨き抜かれた床にひれ伏した。
どの位そこにひれ伏していたのだろうか・
彼の体には不気味な汗がねっとりと噴出していた。

王は彼を無視するかのように、食べ続けていたが、
皿の上が空になると、不意に彼に目を向けた。

     「お前か、わしに話があるというのは・・
      貢物を納めに来た者だな。
      来年は量を減らしてくれなどといったら
      その首はないものと思え」
エホデは床を見つめたまま言った。
      「いいえ、王様。
       そのようなことを言うために
       仲間を欺いて引き替えしたりはいたしません。
       これはぜひとも王様のお耳に入れておかなければと思いまして・・
       ・
       あの〜王様、どうぞお人払いを・・」
王はギロリとエホデを見たが、
何事もなくナプキンで口を拭き、
そのナプキンを振り上げて周りのものを部屋から遠ざけてしまいました。

       「これでどうだ」
王はナプキンで手を拭きながら言った。
       「はい、ありがとうございます。
        それで王様、大きな声では話しにくいのですが・・
        もう少し、あなた様の近くに・・」
       「いいだろう。もっと近くに・・」

エホデはその声を聞くと
       「じつは王様にお見せしたいものがありまして・・」
と言いながらゆっくり顔を上げ、ゆるゆると膝をうごかして、
王のそば近くに行きました。
そうして、右手で鞘を押さえ、
左手で力強く剣を抜き放ちながら言いました。

       「主の裁きの剣です」

彼はそれを言い終わらないうちに駆け出して、
体ごと王の腹にぶつかって剣を突き立てました。
剣の刃も、柄までもが深々と突き刺さり、それを抜くことは出来ませんでした。
たまりにたまった脂肪が、がっしりと捕まえていたからです。

脂肪に押しつぶされていた王の心臓は一撃で止まりましたが、
汚物が王の着物を伝って床に広がってゆきました。
生臭い血の臭いと汚物とが混ざり合ってムッとしましたが
エホデは落ち着いて汚れた手を拭き、部屋のドアに鍵を掛け、
神さまの助けに導かれて
だれにも見つかることなく宮殿を後にしました。

ヨルダン川で身を清め
神さまに感謝を捧げると
気力も体力もみるみる回復し
エフライムの山地目指して
走り続けました。