ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

この謎が解けるかな・・豪華景品付きだよ〜〜。

彼は振り返った。と、
目の前いっぱいに牙を向いたライオンが迫り、生臭い息が彼の顔を覆った。
とっさに体をひねってかわしたものの、柔らかな毛の塊が彼の顔を叩くようにして、
すぐそばの青い草の上に体をひねって着地した。

息つく暇もない次の攻撃が彼を襲ったかに見えたが、

その時にはサムソンも、この猛獣の目をギラリと睨み据えて腰を落とし、
次の出方を待っていた。

その時、彼は気付いただろうか。
彼の体の細胞の一つ一つが物凄いエネルギーを発して
筋肉は膨れ上がり、体が、はがねのような硬さに覆われていったことを。
彼の心も体も満身の力で振絞った矢のように、飛び出す機会を窺っていた。
大きく見開かれ血走った彼の眼力は、猛々しく歯をむいた猛獣の動きを一瞬押しとどめた。


アットゆうまだった。


気付けばライオンは弾き裂かれ、踏み荒された草の上にだらしなく横たわっていた。

サムソンの手は真赤に染まり、抜けた毛がべっとりとこびり付いていた。

素手だったのだ。
呼吸も乱れてはいなかった。


その日彼は父母の元に帰ったが、この事には触れなかった。


彼の心を満たしていたのは、ブドウ畑で会った可憐な瞳と
握り締めた手の柔らかなぬくもりだけだった。


幾日もしないうちに、彼はまた彼女の所へいった。
会わずにはいられない胸の疼きが、彼の足を急がせた。
会えば会うほど、話せば話すほどに、彼の心は彼女の思いで満ちあふれ、
心も体も彼女を求めて彼を苦しめた。



その日も満ち足りた思いと、別れのやるせなさを引きずるようにして、
足を家路に向けさせた。
それでも何気なく、以前ライオンを倒した場所に足を踏み入れると、
かのライオンの屍の上で蜜蜂が羽音を立てて飛びかってた。

またも何気なく覗いて見ると、
弾き裂いたライオンの口から蜜が、キラキラ光ながら、滴り落ちていた。
彼は蜜蜂にはかまわず、その蜜をかき集めて食べた。

美味かった。

歩きながらも食べ、両親にもそれを土産とした。
しかし、その出所は語らず、
結婚話を進めてくれるようにせかした。

両親はこれまでもずっと、ペリシテ人と親戚関係になるのを渋っていたが、
息子の強引さに負けてしまった。


当時の結婚式の慣わしとして
花婿が花嫁の所に行って、祝いの席を七日間、設けることになっていた。
彼もそれに倣った。
花嫁の家では30人の客を招待していた。
酒も入り、サムソンもいい気持ちになって、
余興のつもりで謎かけをした。
そして口から出任せに、豪華な景品までも付けてしまったので
宴席はいやが上にも盛り上がった。


サムソンは新しい酒を右手の杯に並々と注がせ、
一口ふくんで言った。


   「食う者から食い物が出たんだ。
    それから、強い者から甘い物が出たのさ」
   「さあ、それは何だ?
    振舞いの7日が終るまでに解けた者には
    豪華景品を上げよう。」


そう言うと、あごを上げて残りの酒をグビリとのどの奥に流し込んだ。

尖った喉仏が満足そうにゆっくりと上下した。


この事はサムソンしか知らないことだったから・・・・・・・・・・・・・