読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

サムソン、最後の働き

士師記

     「もう、やめてよ!!愛してるですって。
      からかわないで!あなたのそれは言葉だけ。
      私がほしいときだけね。」

サムソンの怪力の秘密を探ろうとして、三度も彼の言葉にはぐらかされた。
それで、デリラも意地になって彼を攻め立てた。

 デリラが言葉を荒げ、彼を拒絶するたびに、サムソンの心も魂も悲痛な叫びを上げた。
彼女の喜ぶ顔が見たい。
ときどき爪を立てるけれども、その愛くるしい仔猫をこの胸の中に抱きとめておきたい。
なのに彼女のねだるのは・・ああ、どうしたものだろうか・・
夜中に何度も寝返りをし、目が覚めて、そのたびに彼はため息をついた。

デリラは、自分がすでに彼を裏切っていることも忘れて、彼をなじり続けた。
それに、確かに、本当の本当のことを話してくれなければ、
やっぱり自分は愛されていないのだとも思った。
だからこそ、彼の秘密を共有することに執念を燃やしたのた。

彼女の思いつく限りの手練手管で彼に迫ったので、
サムソンは死ぬほどに悩みぬいた末にとうとう口を割った。いや、口を開いた。
彼女は笑った。
     「まあ、そんなことであなたの力がなくなるなんて、
      信じられないわね。
      ええ、もちろん。私たちだけの秘密ね。」

二人は頬を寄せ合って笑い転げた。

デリラはサムソンを、気持ちよく酔わせ、いつもよりも濃い酒を言葉巧みにすすめた。
今、彼は彼女のひざの上で目を閉じている。
肩をゆすっても起きない。

デリラは顔を上げた。と、それを待っていたかのように、
隣の部屋のドアが開いて男の顔が覗いた。
その手には切れ味のよさそうな、
実際、研いだばかりのナイフが握られていた。

デリラは目で合図をした。
男は大胆に近づいて来た。
     「聞いたでしょ。やってよ。今度こそ本当よ。間違いないわ。」

彼女は小声だったけれど、確信に満ちて言った。
それから、サムソンの頭を真っ白なシーツの上に注意深く下ろした。

     ざくざく、ぞりぞり、ぼとりぼとり、

目の前でサムソンの髪の毛七房がそり落とされてゆく。

     「サムソン!起きて!ペリシテ人がきたわよ!」

サムソンはぶるるっと身震いし、立ち上がった。が、
すでに彼の元から神様の力は去ってしまっていた。
やったぁ〜サムソンに勝ったわ。彼女は単純に喜んだ。

サムソンは床に散らばった己の髪の毛を見、デリラを見たが何も言わなかった。
深い後悔が彼を襲ったが、それは後の祭りで、
彼はその場で目をえぐられた。

デリラはその一部始終を、部屋の隅で震えながら見ていた。
      ばかな、そこまでするとは・・

そうなのだ、彼女は考えていなかったのだ。
彼女は何か意味不明な言葉を喚きながら、もらったばかりの銀貨を床に投げつけた。
激しい音とともに、ころころと転がり倒れる銀貨の中を、サムソンは引きずり出され、
夜明け前のぼんやりとした空の下を、つまずき倒れつつ惹かれてゆくのを
涙に滲んだ目で、デリラは見送った。

そして、深い闇が彼女の心を覆ってゆくと、
柔らかな朝の光が彼女を包み、床に散らばった銀貨を輝かせて、反射した。

薄汚れてやせ細ったその男は暗い穴倉の中で、
青銅の足かせをガジャガジャ鳴らしながら、臼を引いていた。
     「さあ、出て来い。領主様たちがお待ちかねだ。
      お前のその姿が見たいんだとよ。」

酒臭い息をはきながら兵士は言った。
サムソンの世話をしていた若者は、彼の手の鎖を外した。
そして小声で言った。
     「今日はペリシテ人の神ダゴンの祭りなんです。
      祝いの席であなたを見世物にしようというのでしょう。」
見張りをしながら世話をしているうちに、若者はサムソンが好きになった。

神殿の階段を登ると酒の匂いと人々の熱気とがむっと鼻をつく。
     「ほれ、あそこだ。中央の大きな柱の間に連れてゆけ。」

兵隊はぞんざいに場所を示すと、脇から差し出された杯を口に運んだ。
サムソンは若者に言った。
     「大黒柱はどれだい、それに寄りかかって休みたいんだ。」
     「これですよ、今あなたが触っている柱ですよ。」

若者はサムソンの手の上に自分の手を乗せてささやいた。
     「ありがとう。今まで色々世話になったな。
      私はここで少し一人で居たいんだ。
      君はこの建物から出て外の空気を吸ってくると良いよ。」

青年はそうだねっと軽くうなずくと、神殿の階段を下りていった。

一人残されたサムソンに、会衆のあざけりの波が押し寄せた。が、
彼の心は平安だった。

      「私は今日、ここで死のう。」そう決心すると、
熱いものがこみ上げて、デリラと過ごした日々がよぎった。
不思議なことに彼は彼女を憎んでいなかった。
むしろ彼女によって、今ここにいる自分を喜んでいた。

ナジル人として生まれてきた自分だったが、その歩みは両親を随分と悲しませた。
その答えがこの場所なのだ。

サムソンは心を集中させて神様に祈りました。
      「神様、おろかな私をお許しください。
       この大黒柱を動かす力を
       再び私に注いでください。」

右の手に一本、左の手にも一本。
彼は抱えるようにしてその柱をゆすぶると、ばらばらと天井が落ちてきて
あっというまに神殿は崩れ、そこに居た人々は全てその瓦礫に飲み込まれた。
もちろんサムソンもです。

彼はそこで、彼が生きているときよりも多くのペリシテ人を殺したそうです。
彼の髪の毛?
長くなっていました。
後に。兄弟や身内の者が彼の遺体を引き取り、父、マノアの墓に葬ったとか。
彼は20年間、一人でペリシテ人を懲らしめ活躍したのでした。

あれからデリラの消息も消えてしまったとか、しなかったとか・・
知り合いが部屋を訪れると、床一面に銀貨が散らばっていて、
彼女の姿はなかったとか・・・


男と女、この不思議な生き物にはいつもなぞが付きまとっていますね。

サムソン・・・。 彼を女ったらしなんて言わないでね。はは、
         そうなんだけどね。
         彼の働きの最初は「女」から・・。
         彼って実はすごっく優しい情に厚い人だったのでは?
         人を愛さずには居られない。
         愛したら、とことん付き合っちゃう。。。
  そのあとを見たら、支配者ペリシテ人をずいぶんと懲らしめていて・

  彼が粗暴だっていわないでね。
         彼が暴れたのは、神様の力が注がれた時だけなのよね。
         でしょ?

         あのクイズにしたって、詩人だと思わない?

それに・・なんと、なんと、彼、ほほほ・・言っちゃっていいのかな・・・
          
         新約の主人公に似たとこがあるんだって・・
         ええ!!  いいんですか、そんなこと言っちゃって・
         あの品行方正な方と一緒にしちゃって・・・