ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

死以外で、わたしがあなたから離れるならば・・

ルツ記は士師記の後ろにあって、
「さばきづかさが世を治めているころ」と、冒頭に書かれているので、
一見この時代の作品かと思っちゃいますが、
どうやらそうではないみたいで・・
ず〜っとず〜っと後の、苦しい捕囚時代を終えてから、書かれた物のようです。

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士師の時代のことです・・の、いつの頃だったか?

その当時、パレスチナは飢饉にみまわれ、妻ナオミと食べ盛りの二人の子を
抱えたエリメレクは、頭を悩ました末、土地を処分し、
ユダのベツレヘムから、モアブの地に避難することにしました。
          
                       モアブって喧嘩相手ではなかったかしらね?
                       個人的にはそう悪い人ばかりではなかったようで・・

あっという間に10年が過ぎ去り
気づけはナオミは未亡人に、成人した子供たちは、モアブの女を妻に迎えていました。
それも束の間、子供たちも次々と亡くなり、
孫を抱くことも出来なかったナオミと、若くして夫を失った二人の嫁が残されました。

途方にくれていると吉報が。
ひどかった飢饉が故郷ユダの地から去ったとか・・
ナオミは荷物を処分して故郷を目指すことに。

気がかりなのは二人の嫁。
     
    「お前たちはまだ若い、実家に帰りなさい」

と言いましたが、彼女たちは首を縦には振りません。
それで三人でユダへの道を進みましたが、ナオミは道々二人の嫁に
どうだろうかと念を押し続けました。
それでも二人とも、泣きながら一緒に行きたいと言うのです。
                       
                          よっぽど良い姑さんだったんでしょうね。

それでもナオミは言いました。
     
    「いいかい、良く聞くんだよ。
     私の国には法律があって、
     お前たちの夫が子を成さずになくなった場合
     家系を守るために、夫の兄弟と結婚して、
     家系を絶やさないようにという法律があるんだ。
     それはね、私が再婚して子を産み、その子が成人したら
     お前たちと結婚して子を成すというものなんだけど、
     そんなこと出来やしないよ。
     だから、実家にお帰り。
     そこで再婚して幸せにおなり。
     ここで分かれたって、お前たちの優しさは忘れはしないし、
     息子たちだって、お前たちの幸せを願っているはずだよ」

二人の嫁は泣き崩れました。
そうして、次男の嫁は目を泣きはらしながら、実家に帰って行きました。
長男の嫁だったルツはそれでも、姑の事が気になって離れる事が出来ません。
それでナオミは言いました。
    
    「お前の実家の神様と、私の信じている神様とは相容れないんだよ。
     さあ、ここで分かれよう。        

     すでにわたしの行くべき土地が見えてきた。
     私のことなど忘れるのですよ」
  
                                      ルツ泣きながら言いました。
     
    「もお、この話はしないでください。
     あなたを離れて、わたしはどこへ行きましょう。
     あなたの神様は、わたしの神様です。
     もし、死以外で、わたしがあなたから離れるならば、
     イスラエルの神様が、わたしを幾十にも罰してくださ
     るでしょう」

ナオミはルツの直向な心に胸打たれ、再びこの事にはふれませんでした。

さて、若い未亡人を連れて、帰郷したナオミに、人々の好奇の目が注がれました。
     
     「まあ、ナオミなの?
      あれから10年も経っているのに、ちっとも変わっていないわね。」
     「まあ、嫌だわ。
      わたしのことをナオミ(楽しみ)なんて呼ばないで。
      神様の祝福が去ってしまった今は、マラ(苦しみ)と呼んでくださいな」

ナオミは唇の端を少し歪め、節くれだった手を振りながらそう言いました。

それはくしくも、大麦刈が始まろうとする4月の昼下がりのことでした。