「では、行って来るよ」
夫エルカナは彼女にそう言い残すと、家族を連れて出て行った。
シロに上って礼拝をするために。
それは彼と、その家族にとって自然のことで、楽しみでもあった。。o(*^▽^*)o
昨年まで、ハンナにとっては辛い期間でもあったが、
今は事情が変わっていた。
早いですぅ・・
あれから一年経って
ハンナの祈りは答えられ
彼女の胸には幼子が眠っています。
彼女が家族と一緒にシロに上らなかった理由ですか・・。
覚えています?
昨年、泣きながら祈った彼女のことを。
祭司エリの言葉を・・
・・そして彼女は悲しみと苦しみのすべてを
自分で負うことをやめました。
結果、彼女の心には安らぎが与えられ、
こだわりの扉のかんぬきが取り払われ
彼女本来の優しさが花開きました。
彼女はその家の太陽になり
夫婦仲はさらに円満になって.+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:。
・・・・
赤ちゃんの名前は「サムエル」
あの時、「男の子を授けてくださったら、
神様あなたにささげます」って祈ったんだよね。
ああ・・あんなこと口走らなければ良かったのに・・
なぁんて思っているのはひよこだけですね。
彼女は敬虔な信仰の持ち主でしたから、
そんなことは毛筋ほども考えなかったと思いますよ。
それどころか、その子が乳離れするまで
(三歳か四歳くらいまで)、
神様からの授かりものと心得て、大切に大切に育てたんです。
待ちに待った初めての子だし、可愛くってたまらなかったと思うよ。
だから、時間が足りない。一時も無駄に出来ない
幼くして母親から離される子のことを思うと・・・
ある面、やっぱり辛かったと思うよ。
とにかく、
親元から離れても自立出来るだけの精神力と、
神様に対する敬虔な心とを、
乳房からほとばしり出る乳に託して注ぎ込んだと思うのです。
だから、
「この子が乳離れするまで、シロには上りません。
乳離れしたら、共に行ってこの子を神様にお捧げいたします」
と言うハンナに夫エルカナも
「お前のしたいようにしなさい」
というだけでした。
こんな大切なこと奥さん一人で決めていいの?
って思っちゃいますが、
事の成り行きは聞かされていたのでしょう。
子供の成長なんてあっという間、
次回はいよいよ、サムエルちゃんも歩いてシロへ行きますよ。