ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

またまた運ばれて・・・

あれから20年、
ここ、キリアテ・ヤリムのアビナダブの家に
神の箱は置かれています。

どうして、ここにあるのかって・
そうよね、あの箱は、
ベテシメシ人ヨシュアの畑の岩の上に置いてあったのよね。

・・・

ちょっと、時間を戻してみましょう。
   (な〜んて具合に、
    未来の世界では簡単に出来るようになっていたりなんかして
    凄いね、無敵のアインシュタインの理論が破られるかも・・
    ・・・・ですってね。)

あれは・・・・レビ人?
やっぱりね、やっぱり、レビ人は神様の箱と共に行動していたんですね。
てことは、ペリシテ人の地にも、7ヶ月いたってことですね。

神の箱を載せた荷車は
ベテシメシ人ヨシュアの畑の中にある大きな石の前で止まりました。
    「モ〜〜ォ〜」
雌牛は大きく一声鳴くと、もぐもぐと口を動かしています。
小麦の刈り取りをほっぽり出したベテシメシの人々が物珍しげに取り囲む中、
レビ人は神の箱とぺリシテ人が金の作り物を納めた箱を
しずしずと、とり降ろし、その大石の上におきました。

ケルビムがゆれています。あたりを眩く包んでいます。
人々の顔が輝いています。

辺境の地は、お祭りのような騒ぎになって、
雌牛が引いてきた荷車を解体して薪とし
その雌牛をはん祭として主にささげました。
そうした騒ぎの中で、レビ人は言います。


   「この箱は聖なる箱ですから、触ってはなりません」と、


太陽は人々の高揚した心を映すかのように、一際美しく大空を彩り、
ケルビムの翼がそれに答えるかのように、かすかに揺れています。
太陽は傾いて、大地の向こうに落ち掛かりました。
それでも、人々の心は高ぶったまま、一向に治まりません。

それででしょうか、
残照の残るヨシュアの畑に、五、六人の若者があたりを気にしながら
こっそりやってきました。

おや、臭いますね。アルコールの臭いです。
飲んでますよ、彼ら。


    「一体、あの中には何が入っているんだ」
    「杖と、壷と、石の板だって、じっちゃんが言ってたよ」
    「へ〜ぇ、そんなもの、あのきれいな箱にかい」
    「ちょっとだけ覗いてみたいな」
    「俺もだ」
    「まてよ、触るなって言ってただろ」
    「そりゃあ、壊されるとこまるからだろ。
     見るだけなら、何てことないさ」
    「そうさ、それに今は、誰もいないよ」
    「やろうよ。今日は俺の誕生日なんだ。
     記念に、神の箱の中身を見るなんて、最高だよ」
    「そうだな。見たくない奴はここにいればいいさ。
     そのかわり、そいつのあだ名は「弱虫」ってしようぜ」
    「ははは、それはいい」


とか何とか言いながら、石のそばまで来てしまいました。


    「大丈夫かなぁ?」
    「ふん、ここまで来て迷うなって!
     どきな、俺が開ける」


背の高い男の子が、仲間の肩に手をかけて押しのけました。

・・・・・・・

そのころ、ベテシメシの人々は温かな夕餉のテーブルを囲んでいました。
香ばしい料理のにおいやら、家族の楽しそうな笑い声が、家々からもれ聞こえています。
話題はやっぱり、神様の箱のことですね。
平和です。
いいですね、こんなひと時って・・・


    「きゃ〜ぁ・・・」


ひとつの悲鳴があたりを引き裂くと、
一瞬にして、阿鼻叫喚の地獄と化してしまったのです。

バタバタと人が倒れてゆきます・・・
      (後で調べたら、70人もが亡くなったのです)
原因はわかりません。

なぜ?なぜなのぉぉぉぉ〜〜〜!

報告を受けたレビたちは顔を見合わせて駆け出しました。
どこへ?
ヨシュアの畑へ・・・

・・・・・・

闇に覆われた畑の、あの大石のそばに
あの若者たちが倒れていました。


    「神様のお怒りに触れたんだ。
     触ったんだ彼らは、神の箱に」


レビ人の話を聞いて、ベテシメシの人々は震え上がりました。


    「あの箱を何とかしなければ。
     我々はみんな死んでしまう」


急遽、
キリアテ・ヤリムに使者がたてられました。


    「神の箱を取りに来てください」と。



そんなわけで、神様の箱は今日までアビナダブの子エレアザルが
管理していたのです。

ねぐらに急ぐ鳥たちの姿が視界から消えるまで
じっくりと見守ったエレアザルは、ゆっくりと歩き出しました。

今日も無事に過ごせたことを感謝しながら・・・