ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

ああ、勇士たちは倒れ・・

「なに、サウル王様の最後を・・」

気になっていたイスラエル軍の消息は、唐突に一人の男によってもたらされた。敗走するイスラエルの陣営から逃れてきたという、その男を前にして、ダビデは言葉に詰まった。ずっと、ずっと気になっていたから・・
高まる感情を抑えつつ、ダビデは言った。

「それを証明できるのか?」
「はい、この王冠と腕輪です。サウルが身に着けていた物です。」

彼はうやうやしくそれを、ダビデの前に置きながら
言葉を続けた。

「私はギルボア山で、たまたま瀕死のサウル王様に出合ったのです。王様は私に言いました。
『殺してくれ、アマレク人に見つかる前に・・』
それで、私が最後の刃を下ろしました。三人の王子も戦死しました。
あなたはペリシテ人に寝返ったと聞いています。それで、この良い知らせを伝えるため、急ぎ、あなたの所にあがったのです。」
「あなたはどこの人ですか?」
「アマレク人で、寄留の他国人です」
「どうして油注がれた者を殺したのだ? あなたの流した血の責めは、あなたにある!殺せ!!」

ダビデは、荒々しく席を立った。


この若者、ダビデに取り入ろうと偽ったため、自分が手を下したわけでもないのに、命を絶たれてしまいました・・・
ダビデも周りの者も、衣を裂き、一日食を断って喪に服しました。
ヨナタンの死。それは受け入れがたかった。王子で、ダビデよりも年上。それなのに二人は、身分を越えて、愛と信頼の絆で結ばれていた。
それは、ダビデが次期イスラエルの王を示す、
『油注ぎを受けた』と知った後も、変わらなかった。

ダビデヨナタンから贈られた弓を引き寄せ、その強弓の弦に触れた。
満天の星はダビデの悲しみを知るかのように、いつまでも、フルフルゆれていた。

「ああ、勇士たちは倒れ、戦いの器はうせた。」

次々に浮かぶサウル王と、ふんけいの契りを結んだヨナタンのこと。そして弱体化してゆく、母国イスラエルのゆくすえ・・
ダビデの唇から流れ出た哀悼の言葉、それは、『弓の歌』と呼ばれ、後世に受け継がれました。

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・・・

いまや永遠に、サウルの手から解き放たれたダビデ
彼のゆえに味わった苦節の逃亡生活。熱き炉から何度も取り出され、打ち叩かれて鍛えあげられたダビデ。彼の次なる役割のために、すべてが神様のご計画のうちにあったのでした。

見よ!その雄姿を!
すらりと伸びた切っ先の、なんと麗しいことか。
神に愛されたダビデ
主の剣となりて天翔けよ!!

そういえばサウル王様は
「自分の家系を断たないでくれ」って言ってましたっけ。

ヨナタンも言ってましたね。
「自分の名をダビデの家から絶やさないで」って。

サウル家には・・じつは・・
出陣していない四男が居りまして、
城を守っていたのでした。
守っていたとは体裁がいいですが・・

とにかく形だけでも王位をと
優秀な部下が後押しして、サウル王様の跡に据えました。
そうでもしなければ国はがたがた。

でも、ここでサウル家から王が立てられると
ダビデさんが王様になる道はさらに
遠のくのでは?

どうなのでしょうね?