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ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

後継者決まる!!

王子はあせっていた。
父ダビデの体力が衰えて、気力も弱まっていることに。
それなのに
彼が訪ねて行っても父は会おうともしなかった。

   一体何を考えておられるのだ。
   いや、
   もうそんな気力もないのかもしれない。

一日も早く父の口から、
「お前が跡継ぎだ」と言ってもらいたい。
兄アブサロム亡き後、自分が王になるものと思っていたが
そんな話は出てこない。
     (第2子キレアブも出てきませんね。憶測ですが、既に亡くなっていたのかも)

むしろ、
バテシバの子ソロモンを溺愛している。
その母を手に入れるためにごたごたがあり
初子は直ぐに死んでしまった。
その次に生まれた子がソロモンだ。
年をとって与えられた子は特別可愛いのか?

   しかし、
   特別の思い入れがあるとしてもだ
   後継者とそれとは別ではないのか?

王様不在のような今の時を不安に思った彼は
ヨアブ将軍と祭司アビヤタルに自分の気持ちを伝えた。
すると二人は、直ぐ彼の考えを受け入れた。

アドニヤ様はハンサムだし
なんと言っても、今いる兄弟の中では最年長だし
         
政務につけなくなってしまったダビデ王に代わる方は
第4子の彼をおいてほかにいるだろうか。
二人ともそう思ったのだ。

ヨアブ将軍も祭司ザドクも、アドニヤ同様に王の体調を気にして
謁見を申し入れたが断られていた。

ダビデの重臣たちの支持を得た王子アドニヤは
戦車を買い集め、騎兵を雇い、
彼の前を走る50人の近衛兵をそろえた。

彼はエンロゲルの「蛇の石」のそばで
羊、牛、太った子ヤギをいけにえに捧げ、
即位の立ち会い人として、兄弟たちと、
ユダの政府高官全員を招待した。

でもそこには、ソロモンも
預言者ナタンやべナヤ、王の勇士たちの姿はなかった。

     なんとなく、やはり、こんな大切なことは・・・
     父ちゃんの許可なしには、やばいかな?って思っていたのかもね。

しかし父ダビデはこれまで、彼の言動を戒めたことがなかった。
そのためか、アドニアは大胆だった。
衰えた父を恐れる必要などなかったのだ。



ナタンはアドニヤの行動に不審を覚えて調べさせ、驚いた。
それは彼が

   「跡継ぎはソロモンだ」

というダビデの言葉を耳にしていたからでもあった。
このことはまだ、公にはされていなかったが、
神様からの許可も頂いていた。

   はて?
   王様は王子様の行動を知っておられるのか?
   このままではソロモン王子は反逆者として捕まってしまう。

ナタンは衣の裾を足に絡ませるようにして
バテシバの所に走った。

急いで彼女に助言をし王に会うことを勧めた。

彼女はその言葉に驚き、直ぐ身だしなみを整えると
王の寝室へと向かった。
久しくその部屋へは行っていない。

寝室には王の身の回りの世話と、
冷え切った王の体に寄り添って暖めるために
国中から選ばれた美少女アビシャグがいた。

バテシバは王の許しを得てその部屋に入った。
手入れの行き届いた部屋にはさわやかな香りで満たされ、
柔らかく温かな雰囲気に模様替えされていた。

彼女が入ってゆくと、
アビシャグはつつましく部屋の隅に退き、そっとうつむいた。
バテシバはそんな彼女を気に入っていた。

バテシェバはダビデに向かって、うやうやしくお辞儀をした。
内心彼女はギクリとした。
真っ白になった髪と細くなってしまった髭、
そして日に当たっていない皮膚は、
青白く見えた。
お痩せになられた。

いたわしさに胸が痛んだが、
彼女はナタンに教えられたことをそのまま伝えた。
彼女が語り終えるとすぐ、ナタンも現われた。

ダビデは彼に手を差し伸べた。
ナタンも深々と一礼をすると語りだした。

   「すでにお聞きかもしれませんが、
    ヨアブ将軍や祭司アビヤタルたちが
    『アドニヤ王、ばんざい!』と叫んでいます。
    これは王様もご承知のことでしょうか?」

ダビデの目が鋭く光った。
彼はアビシャグの手を借りて
ベットの上にしっかりと上半身を起こした。
    
   「祭司ザドクと、預言者ナタンと親衛隊長べナヤを
    至急呼び寄せろ!」

その声は凛として力強く高い天井を駆け巡って響いた。
バテシバの胸の中にもその言葉は飛び込んできた。
元気だったころのダビデのことを思って体が震えた。
彼は今、私の願いをかなえるために
失った気力を呼び戻し、
二人の間の約束のために力を振り絞っているのだ。

急に王の寝室が騒がしくなり
呼び出された三人が王の前に立った。。

    「わが子ソロモンを私の騾馬に乗せ、
     私の家来たちを連れてギホンの泉に下り、
     ソロモンに油を注ぎラッパを鳴らして
     『ソロモン王万歳』と叫ぶのじゃ!!
     そうして宮殿の玉座に座らせるのだ。
     私は彼をイスラエルとユダの王と宣言しよう。」

そう言った後、ダビデの目はバテシバを探した。
一瞬二人の目がピタリと重なり、
その満足そうな目の中に彼女は吸い込まれた。
約束の扉が開かれたのだ。
彼女はふわりと体が軽くなったように感じた。
そして、瞬く間にダビデの姿がぼやけた。
彼女はその姿を再び捉えようと瞼をしばたいたが
生ぬるい液体がそれを許さなかった。

祭司ザドクはダビデ王の言葉のとおりにギホンに行き
ソロモンに油を注いだ。
民はラッパの音と叫ぶ声とを聞いて
家々から飛び出してきて、新王の誕生を祝福し、
喜びの声をあげながら彼らにしたがった。

   はて?なんだろう?

将軍ヨアブの鋭い耳が何かを捉えた。
彼は瞬時にガタリと席を立った。

    「どうしたヨアブ?」
アドニヤは場違いな彼の態度をいぶかしげに見ながら言った。
するとそこへ
祭司アビヤタルの子ヨナタンが駆け込んできた。
アドニヤは機嫌よく彼に言った。

    「入りなさい。勇敢な人よ。
     あなたはよい知らせを持ってきたのでしょう」

彼は父ダビデが自分のことを知って
祝福の言葉を持ってきてくれたと一瞬思ったのだ。
ヨナタンは、そんなアドニヤの気持ちを察してうつむいたが
気を取り直して、
言われるままに彼の前に進み出て言った。

    「申し上げます。
     王様はソロモン様を新王と宣言なさいました。
     あの騒ぎは喜び集まった民の声です。
     ソロモン様は玉座につかれました。
     それで今、ダビデ王の元には祝福を述べる家来たちが
     続々と集まってきています。
     王様は床に就いたまま、彼らの祝福の言葉を受けておられ、

     『私の命があるうちに
      息子のうちから後継者を与えてくださった
      イスラエルの神様を褒め称えます』

     と言っておられます」

その言葉は華やかだった祝宴の席に冷水を降り注いだ。
一瞬人々の息が止まった。
それから、吐き出すようにどよめきが溢れ、それは悲鳴に近かった。
驚いて席を立ったアドニヤの顔は真っ青だった。

    父が私の行動を拒否した?!
     馬鹿な!!

ガタリとイスが倒れ、
一人二人と言葉もなく、歯の抜けるように人が去っていった。
彼らの小さくなった後姿には、これからのことを恐れて震えていた。

アドニヤも恐れた。
彼はわけのわからない言葉を発しながら会場を飛び出すと
見栄も外聞もなく、祭壇の角にしがみついて神様に祈っていた。

   「神様お願いです。
    ソロモン王様が私を殺さないと
    今日、誓ってくれますように」

その祈りの叫びは、直ぐソロモンの元に届いた。
ソロモンは人をアドニヤの元に遣わして
彼を安心させた。
彼はほっとして、ソロモンのもとに来て
うやうやしくお辞儀をし、自分の非を詫びた。
ソロモンは直ぐ、簡単に赦してあげましたとさ。  

    だって若いソロモンも兄さんを飛び越して
    自分がイスラエルの王様になろうなんて
    考えてもいなかったのですからね。(と、思うのですけどね?)

    ママバテシバは彼が生まれると直ぐに
    パパダビデにおねだりしていたみたいだけど・・・
最後の大仕事を終えたダビデは
今まで以上に自分の死期が迫っていることを実感しました。
されどまだ息子は若い。
教えるべきことは山ほどあって
あれやこれやと思い巡らすと
ますます、夜もろくに眠られなくなってしまいました。

そんなダビデ王様の冷えた心と体とを
健気にも暖めようと仕える少女アビシャグの
清らかで美しいこと・・・・

ダビデの子供たちはそんな彼女を
淡い憧れの思いを胸に、遠巻きに眺めていました。


☆☆をありがとうございま〜す。

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