ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

落とし前はきっちりと。


バテシバはダビデ亡き後
しばしば彼のことを思い起こしては
昔を懐かしんでいた。

そして、
若いアビシャグの未来を思うと哀れでならなかった。
仕える者の亡くなってしまった彼女は
ひっそりと城の片隅で涙を拭う日々を重ねていた。

そんな時、アドニヤがバテシバのところに来てゆうには

「国中が私が国王になるものと期待していたのに
私の弟であるあなたの息子が王となり
私はがっかりして何も手につきません。
それでお願いです。
アビシャグと結婚させてください」

「まあ、それはよいことだわ。
それであなたの心も落ちついて、
アビシャグの心も慰められるのでしたら」

彼女はその話に乗り気になって、いそいそと
息子ソロモンの元を訪ねました。

何度見ても、玉座に座る息子の姿がまぶしかった。
彼女は深々と頭を下げて、王の許しを得てから頭を上げた。
ソロモンは母のために自分の隣に席を設けさせ、
母のそばまで歩み寄り
その手をとって、自分の隣の席に導いた。
そうしてそのたびに
ついバテシバの口をついて出てしまう言葉がありました。

「本当に、私がこのような場所に立ってよいものでしょうか」

するとソロモンは口角を少し上げ
慈愛に満ちた眼差しで彼女を包み込むようにして言いました。

「よいのです、母上。
あなたはソロモン王の母なのですから」と。

すると彼女はえもいわれぬ至福の世界に導かれてゆくのでした。
それから、ふっと正気に戻って言いました。
「そう、そう、今日ここに来たのは
王様にお願い事があってのことなのです。
どうかおききくださるように」

「はて、母上の願い事とはなんでしょうか」

「あなたの兄アドニヤのことですが、
アビシャグとの結婚を許していただきたいのです」

「なんと言われましたか。
 アビシャグとは
 父上の最後の身の回りの世話をした者のことですか」
ソロモンは内心ギクリとした。   
「母上それはなりません。
お忘れですか、今は亡き兄アブシャロムが
父上を宮殿から追い出したとき
彼は留守役に残された父上の妻たちを
自分のものとしたのですよ。
それは、父上に代わり『自分が王だ』と宣言したことになるのです。
    
兄上の願いもそれと同じこと。
兄上の野望はまだ消えてはいなかったのか。
兄を煽っているのは
祭司アビヤタルとヨアブ将軍だ。

母上、私は父に言われていたことを実行します。
どうかこのことについては何もおっしゃらないでください」

突然変わった厳しい表情のソロモンの様子に
バテシバはビックリ。
そのまま何も言わずに席を立ちました。

ソロモンはグッと唇を噛みしめた。

『わし亡き後、必ず不穏分子が動き出す。
よいか、事が起こったら臆するな。
若くて戦知らずの軟弱な王と
噂している家臣や民の前で
その風評を毅然とした態度で粉砕するのだ』

ソロモンは亡き父ダビデの言葉を思い起こしていた。

あなたがおっしゃったのはこのことですね。
この玉座は神様から賜ったもの
私はこれを守り抜きます。

しかしソロモンは悲しかった。
兄アドニヤが命乞いに彼の前にひれ伏したときのことが
まだはっきりと脳裏に焼きついていた。

あの時兄はソロモンを祝福し、
野望を捨てて穏やかに暮らすと
涙を流して誓ったのだ。

何てことだ・・・

ソロモンはべナヤを呼んだ。

その日のうちにべナヤの剣はアドニヤの胸を刺し貫いた。
ヨアブはそれを知ると、直ちに天幕に逃げ込み
祭壇の角をつかんだ。

「王様の命令だ。出てくるのだ。」

いやだ!私を殺すのだな。
死ぬのならここで死にたい。」
べナヤはソロモン王にこのことを伝えたので
ヨアブは祭壇のそばでべナヤの剣に倒れた。

あんなにもダビデ王様命!を貫いた彼でしたが、
王様の許可なく行動してしまうところがありました。
   
組織力、機略、決断力に優れた優秀な甥でもあったためか
その力関係が微妙だったのか?
ダビデは強く出ることが出来なかったみたい。
   
しかしそのように有能な将軍がダビデ亡き後どう出るか・
親として心配ですよね。
それで、彼との関係は一代で終わらせるべきだと思って、
自分の亡き後、かならずこの落とし前をつけるようにと
息子ソロモンにその処遇を託したのでした。

   ・・・・・・・・・・・・・  
 *イスラエルの最高司令官アブネルをだまし討ち
(これはヨアブの弟の敵討ちだったのですが)

 *ダビデの息子アブシャロムを殺す。
(息子を殺すなとの厳命があったのを無視)

*ユダの最高司令官アマサを突然襲う。
ダビデの息子を殺したことで王様に疎んじられ自分の地位をマアサに奪われたため)

*王位継承をめぐりアドニヤを援助した。
ダビデ王が年老いて、政務から遠ざかってしまったため
最年長者でもあり継承者として当然だと勝手に判断)
    ・・・・・・・・・・・・・

ソロモンはヨアブにかわってべナヤを最高司令官に任命しました。
また、祭司ザドクにかわってアビヤタルを祭司としました。

それから、アブシャロムの追手を逃れて、苦しい逃避行のとき罵詈雑言を履きながら、執拗に後を追ってきたシメイですが、ソロモン王はしっかりと覚えていて、彼に言いました。

エルサレムに家を建てて住むがよい。ただしエルサレムから出てはいけない。出たらお前の命はないと思え」

彼は喜んでそれに従いました。

が、三年も経つと気がゆるむのでしょうか。
彼の奴隷二人が逃げ出して
川向こうにいると知れると
自らロバに乗って連れ戻したりなんかしましたから大変!

若き王様はきっちりとけじめをつけられました。

・・・・・・・・・・・

これで彼のファンはぐ〜んと増えたと思います。
バテシバママなんて、もぉ〜〜、ウルウルおめめです。