ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

私の心は

どうか、これらの品物をお納めください。私の病が癒され、真の神様に出会うことが出来たのですから。

いえ、私の神様は、そのような物を求められる方ではありませ。

ゲハジはそんな会話を傍で聞きながら思ったものだ。

相手は喜んで差し出しているのだもの、先生もかっこなんかつけないで貰っておけばいいものを。
預言者学校の経営が困難なことは百もご承知のはず。困ったものだ。ああ、もったいないなぁ。

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ナアマン将軍はエリシャの意思が固いのを知って言った。

わかりました。
全能の神様は物ではなく、わたしの心を捧げることを願っておられるのですね。
それではどうか、二頭のラバに乗せられるだけの土を分けていただきたいのですが。その土の上に祭壇を作り、そこでイスラエルの神様を礼拝したいのです。
ただ私の王がリモン神殿に参拝に行くとき、私もお供をし、王は、私の腕に寄りかかって礼拝するため、私も身をかがめます。神様がそのことをお許しくださるでしょうか?

安心して行きなさい。あなたの心がイスラエルの神様と共にいることが大切です。

エリシャはナアマン将軍の目をじっと見つめながら言いました。
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ナアマンの心は軽やかだった。
きらびやかな衣装が鉛のように重かった日々がうそのようだ。
今、彼の心の中からの喜びは、質素な衣装をまといながらも、救われた確信が威厳となって満ち溢れていた。それは共に旅する従者たちにまで流れて輝いていた。

往路ともに同じ道にもかかわらず、洗い清めらた心眼で眺めると、すがすがしくも生き生きとした景色が目に飛び込んできて、彼の目はしばしば潤んだ。

将軍様、後ろからエリシャ様の従者がかけてまいります!!

なに、後を追ってこられたのか?

ナアマン将軍はすぐさま、戦車から下りて、彼を迎えた。

おお、あなたはゲハジさん。
いったいどうなさったのですか?

ゲハジは荒い息を整えると言った。

エリシャ様からの伝言でございます。
今、若い預言者がエフライムの山地から来まして、
手ぶらで返すわけにも行かず、
よろしければ60万円ほどの銀と
衣装二着を分けていただきたいのですが。

そうですか、
どうぞお持ち帰りください。お役に立って嬉しいです。
せっかくですから120万円分の銀もお持ちください。


将軍は二人の従者に品物を持たせて、
ゲハジについて届けてくるようにと命じた。
丘一つ越えれば神学校が見えるあたりでゲハジは言った。

本当に助かりました。
将軍様をあのままお待たせいただくのは、心苦しい。
ここからは私が運びます。
ありがとうございました。

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ゲハジはそういって彼らの肩から荷を降ろさせた。

これでよし。

やっとの思い出運び込んだ物を、目立たない場所に隠し終えて、彼が満足そうに腰を伸ばした時、エリシャの声がした。

ゲハジ、どこへ行っていたのだね。
さっきからお前を呼んでいたんだが。

ギクッ!心がひしゃげた!
ゲハジは古びたゼンマイ仕掛けの人形のように、ぎしぎしと関節を鳴らしながらエリシャの部屋の入り口に、半分ばかり体を隠すようにして現れて立った。

エリシャは陽の光の差し込む窓際で、遠くの景色に目をやりながら、後ろ手にして立っていた。

申し訳ございません。ちょっと、外に出ていたもので‥

エリシャは背中を向けたまま言った。

お前はまだわかっていないね。
ナアマン将軍が、なぜ車から降りてお前を迎えたのだ?
お前は彼から何を貰い受けだのだ?

そんなことが私にわからないとでも思っているのかい?
お前がここから出てゆくとき、
私の心もお前とともに行ったんだよ。

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今は彼らから物品を受け取るときではない。
その上、私を欺いた。
かわいそうだが、ナアマン将軍の皮膚病は
お前とお前の子孫とに降りかかるよ

ゲハジは声にならない悲鳴をあげ、エリシャの元から飛び出した。