ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

アハズ王、暴走!!

お誕生日おめでとうございます。
王子アハズは19歳の誕生日を迎えた。

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最近、彼には気がかりなことがある。

父ヨタムの健康のことだ。 


父は祖父王の遺言を守り、規則正しい生活と、与えられた職務を粛々とこなしていた。
長い間念願だった神殿の「上の門」も完成し、ほっとしたのだろうか、
時折、気を抜いた父の姿はひどく老けて見え、彼はそのたびに驚くのだったが、
心の動揺は表に出すことは無かった。

そしてヨタムも感じていた。
体が疲れやすくなっていることを。
「上の門」の完成まで、しばしば現場に足を運んだのだが、美しく出来上がったそれを見届けると、風船の空気が抜けてゆくように、体力も気力も頼りなくなっていた。

ああ、私の時が近づいているのだなぁ。

ヨタムは庭園のベンチに腰を下ろしてつぶやいた。

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父上、いかがでしたか?
あなたの息子の時世は?
気になるのは私の息子アハズのこと。
イスラエルの動きです。

今日は彼の誕生日。
よい機会だ。
私の後継者としての役割と、
きな臭い話もしておかねばなりません。
父上、あなたのお言葉もしっかりと伝えておきますから。

彼はゴホゴホと力なく咳をした。
一年後、ヨタムは静かに息を引取った。

そしてこの世代交代の時期を待っていたかのように
イスラエルのペカ王とスリヤの王レヂンは
ユダ王国に揺さぶりをかけてきた。

彼らも必死だったのだ。
強大なアッシリアの脅威から逃れるためにも、

南ユダも含めた連合軍を組みたかった。

だが、ユダは拒否した。

やむなくかれらはユダの領土内に侵攻したのだ。

アハズの二十歳の誕生日はあわただしく行なわれ、

その騒ぎのまま王となった。
それはイスラエルの王ペカの第17年目のことでした。

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イスラエルの神様! 助けて!!

アハズが一声叫べば、全能の神様のこと、
すぐにでもよい方向に舵をきってくれるはず・・だのに、
彼は、父の教えをすっぽりと忘れて、
異教の神々にすがりつき、
高きところで礼拝し、
挙句の果てに、
わが子を捧げるという、愚行を行なってしまいました。

「高き所」・・この忌まわしい言葉は、
         カナン入国直後から、

         神様が警告していたことでした。

歴代の敬虔な王様も、
「高き所」を一掃するまでにはいたりませんでしたから、
民もまた、そこで礼拝を続けていたのです。

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アザリヤ王が整備した兵器の威力は頼もしく、
敵兵の前でしっかりと働いて、彼らを寄せつけず、
にらみ合いが続いていました。
そんな時、エドムの王が動き出して、エテラを回復し、
在住イスラエル人を追い出しにかかっていました。

アハズの愚行を神様が見逃されるはずもなく、
情勢は一気に悪化してゆき、
その心も壊れる寸前!
もう限界だ!

気が動転したのか?
敵国アッシリアに援助を求める使者を送ったのでした。
神殿の財宝と、王家の宝物とを携えて。
もはや預言者の言葉なんか効きません。


なに!ユダが助けてくれだと・・わははぁ!
「飛んで火にいる夏の虫」とはこのことだ。
書記官よ、記録しておけ!!

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よ~し!!

即刻、手薄になっているダマスコを攻めるのだ!
テグラテピレセル王は、好機逃すまじ!と、

瞬時に軍隊を派遣して、
ダマスコを攻めとったのでした。
彼の行動は徹底していました。
残虐な高官処刑は見せしめで、
民はメソポタミヤ南部のキルに移され、
王レジンの首も飛びました。


その鮮やかな勝利にアハズは感激し、
またまた沢山の贈り物を携えて、
王自らダマスコヘと出かけてゆきました。。

そこで目にした衝撃的なもの!
それは奇をてらった祭壇でした。

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おお!このようにして捧げ物をすれば、
神様が聞いてくださるのだな。
我が国にはない祭壇だ!

アハズは偶像礼拝の罪を忘れて、
更なる罪を重ねるべく
祭壇の設計図を部下に書かせました。

よし!!王アハズが帰国するまでに完成させよ!

祭司ウリヤに伝えるのだ。
使者は王の書簡を受け取ると、

エルサレムへと走りました。

ああ、何ということを・・

祭司ウリヤは深いため息をついて
頭を抱えて座り込みました。が、
すぐさま必要な材料を手配したのでした。

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ちょっと、待って!
それでいいんですか?
もちょっと強く、いわはらんでええんですか!?ピョ!

ブレーキ役の祭司の、その役目は機能せず、
時間を気にしながら、急ピッチで完成されたそれは、
アハズ王が見てきたとおりの祭壇でした。
王はつらつらと眺め回して、
その完成度の高さ、豪華さに満足し、
その高揚感のまま、王自ら祭壇に立ってしまいました。

 

あ!おやめ下さいまし!
何ということでしょう!!ピョ!

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王は、

はん祭と呼ばれる、身を清めの全焼の生贄をささげ、
素祭と呼ばれる、感謝の穀物を焼き、
かん祭を注ぎ、
和解のための酬恩祭では生贄の血を祭壇に注ぎかけて、

大満足。

これからは、この祭壇を使うがよい。
あの青銅の祭壇がみすぼらしく見えるな。
お!そうだ! 
あれは新しく出来た祭壇の北側にすえてくれ、
占い用に私が使おう。

それから車輪つきの台を解体したりと、やりたい放題。
そしてまた、アッスリヤの王におもねって、
特別の行事にしか使わない、
宮殿と神殿とをつなぐ通路を取っ払ってしまいました。

ひどい事をしたものです。
彼のまいた種は息子ヒゼキヤの時、芽を出して、
民を苦しめることになりました。って、
ひよこの舌が動きそうですが・・

預言者エゼキエルは断言しています。

『子は父の悪を負わない』
『義人の義はその人に帰し

悪人の悪はその人に帰する』
         エゼキエル18章

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それにしても、昨日は風が強かった!
地面に落ちた花粉が舞い上がったのでしょうか?
頭が痛かった。
風が止むとピタリと治まった。ピョ!