ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

真実に向き合う勇気は・・・

バシ!バシ!!

 

一瞬、目の前が真っ白になった。

よろけた足が、衣の裾を踏んだ。。

地面にぶち当たった体が痛かった。

 

 

両頬がヒリヒリと熱くなった。

ヌメっとしたものが口中にひろがった。

唇の端を手の甲で拭うと、

鮮血!

 

一人の預言者の思いがけない行動に、

その場にいた誰もが息をのんだ。

          (ノ・ω・)オオ!

 ケナアナの子ゼデキヤ。

 

その彼が、私(ミカヤ)の頬をびんたしたのだ。

彼は横たわる私を睨みつけ、

上ずった声で言った。

 

「どうしてわかる。

 わたしの預言がウソだと、

 どうして言えるのだ!」

 

私(ミカヤ)はゆっくりと上体を起こし、

両手で体を支えながら立ち上がった。

そして、ゼデキヤに言った。

 

「あなたが身を隠すとき、

 そのことがわかるでしょう。」

 

 突然、王アハブは家来たちに言った。

 

「ええい!ミカヤを捕まえろ。(# ゚Д゚)

 そうだ、

 町のつかさアモンと、王子ヨアシの元へ連れて行け。

 牢にぶち込んで、死なない程度に痛めつけておけ。

 わしが帰って来てからどうしようか・・」

 

私はふっと、口の端を歪めて笑ってしまった。

 

「王よ。あなたが凱旋なさる時、

 私は偽預言者の仲間入りです。

 無事のお帰りを」

 

話の途中で、右手をグイっとつかまれ、

両手を拘束された。

 

「皆さん!!

 今日の、このことを覚えておきなさい。

 私は玉座におられるお方を見たのだ!!👀

 これは神様の業ですぞ。

 神様はこう言われたのだ。

 

『アハブを戦死させる方法はないか』と。

 

 すると一人の御使いが言ったのだ。

 

 『私にお任せください。

  王のお気に入りの預言者たちに

  王をそそのかせましょう』と。

 

そう言うと、私は王の前から引きずり出されていた。

不自然に身をねじって、

最後の言葉を言おうとしたとき、

またしても誰かが頬を叩いた。

 

 

アハブ王の元から使者が来たとき、

私はすでに着替えをし、

使者の足音が近づくのを待っていた。

朝の祈りの中で私は幻を見せられ、

アハブ王の戦死を告げられたばかりだった。

 

使者は言った。

 

「王様は念願だったラモテ・ギルアデを

 奪還したいと願っておられる。

 今、400人の預言者が宮殿に集められて、

 王様を励ます預言をしているのだ。

 ミカヤさん、あなたも王様を力づける

 預言をお願いします。

 今日はユダの王様も来ていて、

 その王様のたっての願いで、

 あなたは呼ばれたのだ。

 口を慎んでください。」

 

使者はくどくどと言い募った。

 

どうやらヨシャパテ王は、

アハブ王の命で招集されたらしい。

ダビデ、ソロモンと続いた王家は、

孫の代でユダとイスラエルに分かれた。

ユダはダビデの直系だが、

今はイスラエルの属国も同様になっていた。

だからアハブの命には背けないのだ。

 

スリヤとイスラエルの間には三年間、戦争がなかった。

その間、ラモテ・ギルアデはスリヤにおさえられていた。

そこはヨルダン川の東にあって、

ソロモン王在位の時から、

イスラエル領の重要な町の一つだった。

ダマスコ(アラム)との国境にあったからだ。

6代目のアハブの父オリムは元軍司令官だったが、

二つのクーデターを制して王となった強者だ。

彼はサマリヤに首都を構えたが、

そこは多民族の地で偶像に満ちていた。

オリムの息子アハブは父に見習って、

さらに国を豊かにした。

信仰も父にならった。

 

 父の代にはユダはアラムと同盟を結んでいたが、

息子ヨシャパテはアラムとの縁を切り、

イスラエルと同盟を結んでいる。

この機を逃すわけにはいかないと、

アハブは考えたのだろう。

それを煽るように、

取り巻きの預言者は言葉をつなげているのだ。

 

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ミカヤは使者に伴われて玉座に座るアハブの前に立った。

挨拶をしようと腰をかがめると、

頭上でアハブの声がした。

 

「待ちくたびれた。

 ラモテ・ギルアデを取り戻したいのだ。

 私に勝算はあるのか、ないのか・・」

 

ミカヤは少し首を傾げ、

もったいぶって言った。

 

「王様、御出陣なさいませ。

 勝利はあなた様のものです。

 ここにおられる預言者の言われる通りです。」

 

おお~。

抑え気味のどよめきが広場に広がった。

アハブ王は目を丸くし、

肘掛イスをいまいまし気に叩いた。

 

「それが神の言葉だと!?

 本当のことを言え!」

 

私は王の言葉に飛びついた。

 

「実は王様。

  幻を見ました。

 牧者を失ったイスラエルの民が、

 山の中でさまよっていました。」

 

その時だった、

ケナアナの子ゼデキヤが私の目の前に大股でやって来て、

私の頬をびんたしたのは。

 

 

 

私は薄暗い牢屋に閉じ込められ、

命をつなぐための

最低限の水と食べ物を与えられて過ごしたが、

私の肌はつややかで血色もよく、

眼力も衰えなかった。

 

どのくらい日数が過ぎたのか、

私にはわからなかった。

それは、陽が沈んで明かりが必要になった頃だった。

バタバタと足音がして、

いつもの牢屋番が慌ててやって来た。

彼は、ガチャガチャと牢屋のカギを外しかけたが、

手が震えてうまくいかないようだった。

私は思った。

アハブが戦死したな。

 

 

 「どうしたのです。そんなに慌てて」

 

 「アハブ王様が亡くなったのです。

   流れ矢に当たって・・

  それで今、国中が騒いでいます。

  預言者様、どうぞ牢屋から出てください。

  あなたのお世話をしながら分かったのです。

  あなたこそ真の預言者だと。」

 

牢屋番は私を牢屋から出すと、

あたふたと闇の中に消えて行った。

 

久しぶりに外の空気を吸った。

ここは町から少し離れていて、

町の喧騒は伝わってこなかった。

目の前に大きな木があった。

星々がきらめくのを認め、

私は根方に座って、目を閉じた。

 

 王様、あなた様は、私の預言を

 信じておられたのでしょうか?

 王服をヨシャパテ王に着せ、

 ご自分は兵士の格好をして、

 戦車に乗られたのですね。

 敵が、ご自分を狙ってくると、

 分かっておられたのでしょうか。

 王服に身を包んだヨシャパテ王が、

 スリヤ兵に囲まれた時、

 あなたはこれ幸いと逃げ出したのですね。

 でも、それがよくなかったと思いませんか。

 王を守るべき兵士が、

 王を残し、

 敵に背を向けて逃げ出すものでしょうか。

 名もない兵士であっても、訓練された者は、

 逃げる者に反射的に矢を射るもの・・・

 身を鎧で固めていたのに・・

 わずかな胸板と草摺りの隙間から、

 矢が・・

 結局、神様のご計画からは、

 逃れられないのですね。

 あなた様の乗った戦車には血だまりができて、

 その臭いに誘われて野犬がやって来たとか。

 王様、ナボテの葡萄畑の件で、

 エリヤから言われたことを覚えておられましたか。

 アハブ家は滅びると。

 それも最後は野犬がかかわることを。

 恐ろしいことです。

 あなた様が建てた象牙の家、

 あれはどうなるのでしょう。

 

  私があなた様にいつも申し上げていたことが、

 真実であるがゆえに、

 あなた様は避けておられた。

  あなた様は真の神様を知っておられた。

 

 それなのに・・・

 他に選ぶべき道は他になかったのでしょうか?

 

 

頭上の木の葉が騒めき出した。

眼下の町の灯はチカチカと瞬き、

消える様子がなかった。

新しい王が誕生するのだ。