今日の聖書の箇所は、“夫と妻の戦い”とも“弟と兄の相続争い”とも取れる所です。
また、母リベカの身体を張った言葉も見もの・・・
=== イサクをだます母子 ===
イサクは目が不自由になると気が弱くなったのか、
自分の命もあとわずかではと思ったのか、長子エサウに言った。
「わたしはお前が作った鹿の肉料理を食べてから、
お前を祝福しよう」
リベカはこの言葉を聞き逃さなかった。
胸に秘めていた言葉の意味をかみ締めた。
心臓はどくどく唸り手のひらが冷たくなった。
夫イサクを騙すしかない。
一瞬のうちに彼女のすべきことは決まっていた。
リベカはエサウが猟に出かけたことを確かめると,
ヤコブに言った。
「兄さんが帰ってこないうちに、
あなたはお父さんの祝福をうけなさい。
急いでわたしの言うとおりにしなさい」
リベカは、エサウの毛深さに似せるため、
ヤコブの腕や首に子ヤギの皮を付けさせた。
それから、長子エサウの晴着を弟ヤコブに着せ、
夫の好きなヤギの料理とパンとをヤコブの手にわたした。
ヤコブは震えながら母に言った。
「もしわたしがヤコブだと気づかれたらどうしょう」
リベカは息子の目をジッと見つめながらはっきりいった。
「あなたが受ける呪いはわたしが受けます。
ただ、わたしの言葉に従い、父の祝福を受けなさい」
ヤコブは恐る恐る父の元に行った。
「長子エサウです。
わたしのしかの肉を食べ、わたしを祝福してください」
イサクは驚いた、あまりにも早いからだ。
イサクは彼に触った。
毛深さもその香りもエサウのものだった。
声はヤコブの声だが、手はエサウの手だった。
イサクはいぶかりながらも、ぼんやりとした視界の中のわが子を信じた。
そして、彼を祝福した。
しばらくして兄エサウが狩から帰ってきた。
かれは何も知らずに父の元に行った。
イサクは驚いた。
「おまえの弟が偽って、おまえの祝福を奪ってしまった!!」
エサウはその言葉を聞くと大声をあげ、激しく叫んで、父に言った、
「父よ、わたしを、わたしをも祝福してください」
イサクもまた声を震わせて言った。
「わたしはヤコブをあなたの主人とし、
兄弟たちを皆しもべとして彼に与え、
また穀物とぶどう酒を彼に授けた。
わが子よ、今となっては、あなたのために何ができよう」
エサウは心の内で誓った。
父が死んだら、ヤコブを殺そう・・・と
(*^_^*)・・・・・・・・・・