蟻の行列のように続く人、ひと、ひと・・・
その数なんと60万(女、子どもを除いて)
舞い立つ土ぼこりもなんのその、彼らの心が舞い躍っていました。
口には歌が溢れ、さざ波のように広がって、大きな賛美の渦となっていました。
その渦の中でヨセフの遺骸も揺れています。
遺言に従ってエジプトから携えてきたのです。
モーセの代理人アロンは声を張り上げます。
「毎年、一月半ば(太陽暦の三月末)のこの日を
出エジプトの記念日としよう。
我々の長男の命は神さまが守ってくださった。
それゆえ、我々の長男は神さまのものだ。
我々は子羊を捧げてこれを買い戻すのだ。
そして、7日間イースト菌の入らないパンを食べよう。
この儀式によって
あの出エジプトの出来事を心に刻むのだ。
子供たちが
「これはどういうこと?」
と聞いたら、
「奴隷生活から開放してくださった神さまを忘れないためだよ。
エジプトの王は神さまを拒んだため、
国中の長男と家畜の初子を殺された。
神さまの言葉に従った我々の長男と家畜の初子は助かった。
だから私たちは、神さまに長男と家畜の初子を捧げるのだよ。
ただ人の子は生け贄には出来ないから、
身代わりに子羊や子ヤギを捧げるんだよ
と教えるのだ」
約束の地はそのままゆけばあまり遠くではありません。
しかしその道の先には、ペリシテ人がすでに住んでいました。
神さまは小競合いになるのを避けるため
遠く迂回する道を選ばれました。
地図などありません。
それで神さまは
昼は雲の柱を、夜は火の柱を民の先に進ませました。
さて、この先の困難な旅路を知ったら
イスラエルの人々は出エジプトを躊躇したかもしれませんよぉぉぉ・・・・
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