ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

バビロン産の外套を着て・・

アカンの妻の目の前で
美しいのバビロンン産の外套が掘りだされた。
それは汚れないように壷に入れてありました。
兵士がそれを取り出して、彼女の前でひらひらさせ
     「お前はこれを知っていたな」
と意味ありげな目で彼女を見ました。
それは彼女にとって初めてみる品物でしたが、彼女は黙っていました。

それから、
目方50シケルもある金の延べ棒が現れました。
兵士はそれを持ち上げて彼女の前に置きました。
     「お前、これを知っていただろう」
ぎらりと目が光りました。
それも、彼女にとっては初めて目にする物でした。
しかし、彼女は黙っているだけでした。

兵士たちはさらに深く掘り進みました。
    「ふん、ずいぶん深く掘ったものだぜ。
     アカンも馬鹿なことをしたものさ、
     あいつも焼きがまわったな」
    「おいおい、まだなのか、早くしてくれよ。
     みんながお待ちかねだ・・」
    「あっ、銀が出ました」
掘り起こしていた兵士が両手で土をのけ、銀を取り上げました。
     「急げ!ヨシュアさまの所に運べ」
兵士たちはバタバタと、けたたましく駆け出しました。

アカンのテントの周りには見張りの兵が立てられ、
物見高い見物人を睨みつけていました。
もちろん、彼女も子どもたちも、外に出ることは許されません。

彼女は薄暗いテントの中に座り、
     乳飲み子に乳をあたえ、
     特別の日にしか食べさせなかった甘くて美味しいお菓子を
     子どもたちにあげました。
     そのうち彼らの寝息が聞えてくると、
彼女はさっき見た美しい外套のことを思いました。

そういえば戦場から帰ったばかりの日、
夫は私の耳元でささやいたわ
     戦が終ったら
     君にふさわしい美しい外套を着せてあげよう
     そのつややかで豊な髪を飾る髪飾りや
     巻き毛のかかるその耳たぶにイヤリングを
     この愛しい谷間を飾る宝石を
     僕は君のために用意するよ
逞しい夫の腕の中で
     うっとりしながら聞きながら
          朝を迎えたけれど
それがこのことだったのかしら・・

   ばかね、あんなもの、
   今のテント生活では身につけることなんてできっこないのに・・
   彼女は淋しく笑った・・
            笑いながら・・・
あの人もそんなこと分っていたはずなのに・・
     それでも私のために・・・・・・と思うと、
熱い涙がこみ上げてくるのだった。(´;д;`) 


時間は、じりじりと過ぎていった。
ちょうど子どもたちが目を覚ましたころ、
テントの周りが騒がしくなった。
彼女は、真昼の鮮やかな太陽の光の中に連れ出された。
一瞬、辺りが真っ白く輝いたように思えた。
年寄りと、女、子どもの視線を、矢のように浴びながら
これから自分たちが、どこに連れてゆかれるのか彼女は知らなかった。

後ろの方で、今いたテントが解体されている音が聞えてきた。
    ああ、もうここには戻ってこられないのだ。
彼女は乳飲み子のぷっくりとした頬に自分の頬を押し付けた。
彼女の両脇にへばりついている幼い子どもたちの顔は、緊張で引き攣っていた。


彼女たちが着いた先は、アコルの谷。
ひき行かれた彼女はそこで、夫アカンにあった。
彼は、しおれはてた、青菜のようだったが、
妻の姿を目にすると、必死で周りの者たちに叫んでいた。

しばらくすると、アカンが転がるようにしてやって来た。
     「ゆるしてくれ・・・(_ _|||)  
      こんなことになるなんて・・
      お前も子供たちも・・・・」
アカンは泣いていた。
朝から何も食べることもなく飲むこともなかった彼の唇は
大きくひび割れて白い粉を吹いるように見えた。

彼女は少し笑いながら、アカンにいった。
     「あなた、わたしは今、
      あの綺麗な外套を着ているのがわかるかしら・
      あなたがささやいてくれた耳元に
      この子に含ませた胸の谷間に
      あなたが今握り締めているこの両腕に・・
      あなたが言っていた宝石で輝いているのが・・・」

アカンはハッとした。
そうして、涙でかすんだ目を見開いて言った。
     「ああ、き、きれいだよ・・
     こんなに美しい君を見たのは初めてだよ・・
     そしてこれが最後だなんて・・」

彼女は夫を見て言った。
     「あの衣も、金も銀も、神さまのものだったのね・・
      私たちは神さまの前に罪を犯したのね。

      子供たちを巻き添えにすることは悲しいけれど
      今、あなたの優しさに包まれて、ここにいることを感謝しているわ」

彼女は夫を見つめながら立っていた。
その心はもうすでに、未知なる世界へと旅立っているかのようだった。

アカンは妻を抱きしめた。
彼女の胸の子が「わぁ!」と、泣き出し
母の衣の裾を握り締めていた子どもたちが声を上げた。

アカンは膝を屈めて子供たちを引き寄せた。
    「おとうさんはね、神さまに罪を犯したんだよ。
     これから、神さまのところに行ってお詫びをするんだよ。
     みんなも一緒にゆこうね」
幼い彼らは、父の涙を小さな手で拭いながら、にこりと微笑んだ。ヽ(゚∀゚ヽ
                                          
そうして、アカンの家族が跪いているうちに
何時しか、彼らの姿が石の下に消えていった・・・

神さまのなさることは徹底していたから、
彼らの遺体はさらに火で焼かれた。  

彼らのテントもその中にあったあらゆるものも
家畜も全て、そこで処理された。
掘り出された、外套も金も銀も処理された。

これらの処刑に立ち会ったのは、各部族から選ばれた人たちと、
特にユダ部族の人たちと
アカンのゆえに亡くなった兵士の家族だったのかも・・。




  ・・・・・・・・・・・・・・
アカンの妻
     女は数にも入れてもらえなかったのだから・・
     公には何も発言権はなかったでしょうね。
     だから、ただ夫を信じて頼るほかになかった。
     女、子どもは夫の所有物のようなものだから・・
     夫アカンが罪を犯せば、
     彼に属する全てのものがその罪の下に属してしまったのでしょう?

    それとも、
 
     アカンの妻は、積極的に夫をそそのかして
     外套や金銀をほしがったのでしょうか・・

多分見せしめのためでもあったと思うから・・
     罪人を出してしまったユダ族は処刑のための石を
     他の部族の人たちよりも沢山投げたかも・・・・

アコル(災い)の谷・・
      そこは今でも彼らの石塚が
       雨風にさらされ、時折吹く風に耳を澄ますと
       彼らの悔いる祈りの声が聞えてくるとか、こないとか・・

聖書にその名を刻まれた彼、アカンの罪は、果たして赦していただけるのでしょうか・・

       アカンが隠した物・バビロン産の・・・・・高価な外套
                   金の延べ棒  15万円相当
                   銀       6万円相当
       
あ、そうそう、今回の場合、盗った物が高価であるとか
             イスラエルの兵士がそのことのゆえに死んでしまったとか
             周りの国々への影響とか・・というよりも・・

        神さまが「私のものだ手をつけるな」とおっしゃったことを
        無視したことが大罪になったのかもね・・