エルサレムの王、アドニゼデクは唸っていた。
ギベオンの住民がイスラエルと和平したと聞いたからだ。
なぜだ、なぜなんだ!
ギベオンは、このエルサレムと同じくらい大きかったはずだ。
滅ぼされたアイよりも大きく、その兵士は勇敢だ。
彼には理解できなかった。
エリコが崩され、アイが崩壊し、イスラエルによる危機が真じかに迫った時
アドニゼデクはすぐさま連合の話を持ちかけていた。
他の王たちは即答したが、ギベオンだけは答えを伸ばした。
南北の通り道であるこの地は、さまざまな異民族の略奪にあっていた。
彼らはひとしきり略奪がすむと風のように去っていった。
しかし、今度のイスラエルは
彼らの神の約束とか言って
この地を奪い、定住しようというのだ・・
これはまったく、受け入れがたいことだった。
王は早速ヘ裏切り者ギベオンを倒すべく、
ヘブロンとヤルムテ、ラキシ、エグロンのそれぞれの王に、軍召集の要請をだした。
普段は小競合いの絶えない山地の王も
このときばかりは、直ちに結束し、大軍を率いて北に向かい、
夜の間にギベオンを取り囲んだのでした。
闇にうごめく大軍、ギべオンの町は慌て
不夜城のごとく赤々と火をともし、町中総出で戦に供えました。
その喧騒にまぎれて、ギルガルに、
救援要請の使者が飛び出していったのはゆうまでもありません。
三日持てばいいほうだ、民は嘆きました。(。┰ω┰。)
そんな民に
この命尽きるとも、夜明け前に着いてみせる。
必ず援軍は来る。
諦めるな!!
使者は民を励まし、自分に誓って飛び出して行ったのでした。
ギルガルまで約35キロメートル
高低差激しい下り坂が続きます。
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