「なぜあなたがたは、私たちを攻めるのか?」
エフタの使者は言った。
アンモンの王が、苦々しげに吐き出した言葉はこうだった。
「昔、イスラエルがエジプトから登ってきた時
アルノンからヤボク、そしてヨルダンと
わが国の地と人命を奪ったからだ」(▼皿▼メ;)
エフタは反論した。
「あの時、我々の先祖はエドムの王にも、
モアブの王にも使いを送り
『どうぞ、あなたの国を通らせてください』
と頭を下げたが、断られたのだ。
それでしばらくカデシに留まり
考えたすえに荒野を通って、エドムとモアブの地を迂回して、
アモリ人の王シホンに使者を送って、頭を下げたのだ。
それも断られた。
それだけではない、彼らは我らを疑って、攻めて来たのだ。
それで我らは、自己防衛せざるを得なくなったのだ。
あの時、我らの神様が助けてくださって、今ある地を賜ったのだ。
あれから既に300年。
その間、ケモシはあなたがたの神だが、その神は動かなかった。
今、私たちはあなたがたに何も悪い事をしていないのに
あなたがたは戦いを挑んでくる。
審判者であられる神様が、我らとおまえたちの間をおさばきくださるだろう」
エフタは使者に、これらの言葉を告げると再び送り出した。
使者の姿が視界から消えると、神さまの霊が彼に望み、
エフタは兵を率いてアンモンの人々の所へいった。
彼は神さまの力を得て、難なく20の町を打ち破り
アンモンの人々を攻め伏せました。
。(*'∇')/゚・:*【祝】*: 勝利の凱旋です ・゚\('∇'*)oヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ
エフタを向える人々の目は喜びに溢れ、
長い圧制から解放された喜びに沸いています。
エフタもそんな彼らの声援に手を振って応え、
続く兵士たちの足どりも軽やかでした。
空は澄みわたり、太陽の光が彼らの労を優しくねぎらっています。
ヽ(゚▽゚)(゚▽゚)ノ ☆【祝】☆
あっ、エフタの家です。
門は開かれています。
とその時、彼の目に若い女の姿が飛び込んで来ました。
人々の歓声は一段と増し、この若い女の打ち鳴らす鼓の音や
ひらひらと鮮やかに舞う衣とかぐわしい香に
しばし酔いしれました。
キラキラ輝く瞳と、満願の笑顔は彼をたたえ
「おとうさま・・」と可愛らしい声で叫びながら
彼の前に飛び出してきました。
すると、馬上のエフタの手が止まり、見開かれた目が点となり
愛娘の上にガチリと釘づけになり、そして・・・、
そして、彼の顔は苦悩に歪んで口は喘ぎ、
目は霞んで雨のような涙が頬を伝い
あごの先からぼたぼたと、愛馬のたづなを握る厳つい彼の手の甲を濡らし
馬の黒いたてがみをつやつやとを濡らしてゆきます。
気付けば
馬上から引きずり降ろされた囚人のように
惨めな姿で娘の前にうずくまるエフタ。
▄█▀█●
何が今、この英雄の上に起こったのでしょう。
彼を取り巻く群衆も、彼の愛娘も息をのみました。
凍りついた空白の時が流れた時
群集の目の前で
ビリビリと衣を引き裂いて泣き叫ぶエフタの、臓腑を引き千切るような声が
虚しく蒼い空にたちのぼって行きます。
一体何が・・???
・・・・・・・・・・?
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来週は、この英雄の、いえ、
この英雄の愛娘に起こった哀しいお話をしなければなりません・・(-_-;)・・クスン。
口は災いの元といいますか、何と言いますか・・・
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