ぶわぁぁぁぁあ!!
ひれ伏す従者の体が浮き上がるほどの、強い風圧が一瞬襲って消えた。
驚いて身を起こした彼の目前に、敵は迫っていたが殺気は消えていた。
彼らの目をくらましてください!!
ほんの数秒前、エリシャが発した言葉だ。
彼は知らなかったが、一気呵成にと盛り上がっていた彼らの士気が、雪崩のようにそがれたのは、風圧が襲った瞬間に激しい閃光がスリヤ軍の上に注がれたからでした。
よく見れば、志気を欠いた兵士たちの目は、うっすらと濁っていた。
ど、どうしたのでしょか?
あの乱れようは?φ(゚Д゚ )
従者は戸惑いながら言うと、エリシャは振り返って、笑顔で答えた。
今から彼らをサマリヤに誘導してくるよ。彼らの目は、神様が閉じられた。
エリシャは、ひらりとさりげなく衣を翻して、階段を駆け下りると、右往左往する兵士の中に姿を消した。
あ!待ってください! 私も連れて行ってください!
従者は慌てて彼の後を追った。エリシャはそこに、真っすぐな道が伸びているかのように、臆することなく進んで行ったが、誰とも体がぶつからなかった。
彼が通り過ぎると、無秩序に騒ぎまわっていた兵は落ち着いて、吸い寄せられるようにぞろぞろと、彼の後に従った。
エリシャ様、あなた様はなんというお力をお持ちなのでしょう。
今までもそうでしたが、今日は本当に驚きました。
あなたのようなお力を、発揮できるお方がこの地上にいるでしょうか。ヾ(〃^。^)o
何の取りえもない、このような私が、あなた様のおそばにお仕え出来るとは、光栄で!誇りです!
従者が興奮して、両手をすり合わせるようにして、エリシャに言うと、彼の足がピタリと止まり、鋭い眼差しが従者に注がれた。
よいか、もう二度と、そのようなことを言ってはならない。ε=(#・д・)/
私の業は、すべて神様からのもの、私こそ、何の取りえもない未熟者だ。
エリシャは若き日の、苦々しい失敗を思い出して、思わず頭に手が行きそうになった。Σ( ̄ロ ̄lll)
神様は、そんな私をお見捨てにもならず、お使いくださっているだけだ。
お前が慕うべきお方は、私が仕えておられるお方だ。ご先祖様がお慕い申し上げてきたお方だ。
エリシャはまた歩き出した。
従者はエリシャの言葉を胸に刻みつつも、ますますエリシャへの畏敬の念が強まった。
緑がまぶしいほどに豊かに辺りを覆っていた。なだらかな丘を上り詰めればサマリヤの町だ。
彼らのことは、すでに王の耳に伝えられていて、派遣されてきたイスラエルの兵が、スリヤ兵士の周りをがっちりと固めていて、そのまま門をくぐった。
神様、彼らの目を開いてください!!
エリシャが一声大きく祈り叫ぶと、一斉に驚愕の叫び声が立ちのぼったが、イスラエルの兵が一挙に静めた。
エリシャが王の前に立つと、王は立ち上がって彼を歓迎した。ヽ( ´¬`)ノ
エリシャよ、われらに何の損傷もなく、このように多くの敵兵をよくぞ連れてこられたものだ。散々、国土を荒らしたやつらだ。彼らの始末は任せてくれ。
なんとなさるおつもりで・・
決まっておる。
わが国の空気を吸わせられないようにするまでだ!二度とわが国土を荒らすことのないようにな!
そのとおりです。
しかし、彼らの命をとってはなりません。o(*≧□≦)o ダメ〜!!
彼らは捕虜です。十分に飲み食いさせて、スリヤの地に送り届けるのです。
なんと!\(◎o◎)/
王はあきれて後が続かなかった。
それでも荒々しく席を立ちながら言った。
お前が連れてきた者たちだ、勝手にするがよい!
それでエリシャは彼らを丁重に扱ったので、兵たちは涙を流して喜び、キュ━.+゚*(о゚д゚о)*゚+.━ン☆
腹を満たすと、自国へと帰って行った。
エリシャさんよくやってくれました。
「目には目」では、争いの連鎖は断ち切れませんね。断ち切ったからこそ、彼らは再びイスラエルの地では、悪さをしなかった。そうゆうことですね。
めでたし、めでたし。o(*^▽^*)o
果たしてこれでスリヤ兵は来なくなるのでしょうか?・・・。( ̄∇ ̄;)