ギルガルからべテル。
べテルからエリコへと神様は私を導かれた。
しかしそれは、
私自身の望みだったような気がするし、エリシャの為でもあったのではないか,とも思う。(・・?
「ここにとどまっていなさい。」
と私がエリシャに言うたびに、瞼を激しく動かしながら彼は言った。(´;ω;`)ウッ…
「主は生きておられます。また、
あなたも生きておられます。私はあなたを離れません」
それは今までの私の来し方でもあり、若き日の自分を見るようでもあった。
その言葉は、夜の白むまで、呻き、嘆き、苦しみ、もがきながら、吐き出してきた言葉だった。
私は寂しい山峡で育った孤児で、身にまとう物も粗末だった。預言者としての教育を荒野でしていた時から、まとう物は毛衣だった。髪も伸び放題で、人々は私を見ては、けげんな顔をしたものだったが、私はその異相をやめなかった。
それまで、人を攻める言葉を履いたこともなく、人をなじることなど全くない、静かな生活だったから。
あれ以来、
嵐の中でもてあそばれる枯葉のように、私の心は激しく震えておびえていた。そんな私が、告白する言葉がこれだ。
「主は生きておられます。
私はあなたを離れません」
たびたび、時を忘れて祈り続けた。
朝日に染まる妙なる雲の、その雲の隙間から光が差し込んで、目が奪われることもあった。それらの光の中に身を置くと、活力が全身にみなぎり溢れて、難しいご用を全うすることができたのだった。
その折に、
「イスラエル」
「エリシャよ。
これから、どんなことが降りかかってこようとも、
この場所を忘れるなよ。
ご先祖様の祈りの積み重ねてあるこの場所を。
その場所をいつも、お前の心の中に確保しておくのだよ。」
その帰り際、若い預言者がエリシャに駆け寄って来てささやいた。
「神様が今日、エリヤ様をあなたから
取られることを知っていますか?」
「はい、知っています。
でも、
あなたがたは黙っていてください。」
少し強張った声が風に乗って私の元に届いた。
そして、相手を振り切るようにして、エリシャの駆けてくる足音が近づいてきた。私たちはこれからエリコに行くのだ。
あったというのは、今はがれきの山になっているからだ。
砂漠を彷徨うこと40年、武器を手にしたこともない民だった。
それがこれから、力ずくで踏み込んでゆかなければならないのだから、相当なプレッシャーだったはずだ。そこで神様は、民に自信を植え付けさせるために、不思議な方法で堅固なエリコの城壁を崩された。ご自身のお力を見せつけられたのだ。
お前たちには私がついているぞ!
とばかりに。
「おおそうだ。
エリシャよ、このがれきの山こそ、
力あるお方が我らの神である証なのだ。
そしてこのお方が、
お前と共におられるのだよ」
私がここに預言者学校を創立したのは、神様のお力を忘れないためなのだ。
私はここでも色々な引継ぎの手続きを手際よくこなして、同労者と別れを惜しんだ。
エリシャはまたもや、同じ質問をさているようだ。幾人かの輩に囲まれ、顔を真っ赤にして何か言っている。
最後の行く先はヨルダン。
私はずんずんと川岸に近づいて行った。そして水分を含んで色が変わっている、柔らかな土の手前で止まった。エリシャが私にぶつかりそうになって、息をつめて止まったのがわかった。
太陽は傾きを増していたが、照り付ける力はまだ衰えていなかった。雲一つない空。吸い込まれそうな予感に私の身は震えた。
🐤もピョピョついて行くのだ!!
決定的瞬間を、パチリ!📷