ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

母の祈り

「長男をお授けくださったら、その子は神様にお捧げします」

 

子宝に恵まれなかったハンナでしたが、祈りにより授かった子がサムエルです。「神の子」「彼の名は神」の意味が含まれています。

 

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ハンナは息子サムエルが乳離れするまで、毎年行っていた宮参りには参加せず、子育てに専念しました。そして子供が乳離れすると、夫と共に宮もうでに行きました。それはまた、息子サムエルを手放す日でもあり、神様との約束を果たす日でもありました。

日ごとに賢く愛らしさを増す幼子。母として、心中の葛藤やいかばかりか。察して余りあるところですが、彼女の信仰は揺ぎ無く、神様に麗しい幼子をお捧げ出来ることを感謝していました。

 

ラマの北、約24キロのシロには、ヨシュア時代からサムエル時代まで幕屋がありました。サムエルの幼少期はそこで過ごしたことになります。

 

それからの年ごとの宮参りは、幼子にあえる喜びの日となりました。ハンナはそれに続いて5人もの子宝に恵まれたました。これでサムエルは6人兄弟の長男ですね。

 

 サムエル誕生の頃のイスラエルは、信仰的にも政治的にも道徳的にも堕落していました。信仰深い預言者が絶えて久しかったからです。

ある時、一人の神の人が祭司エリのもとに来て、エリの息子の不品行を指摘しました。そして「息子は殺され、エリも死ぬ」と告げました。

 

祭司エリは年をかさね、目が不自由なると、幼子サムエルはエリの目となってお仕えしました。

ある夜のことでした。就寝中のサムエルは、自分の名を呼ぶ声で目を覚ましました。

「祭司様が呼んでおられる」

しかしエリは呼んでいませんでした。そんなことが三回も繰り返された時、もしかして、これは・・と、エリの勘が働きました。

 

「サムエル。今度呼ばれたら、

『僕は聞きます。主よ、お話しください』と言いなさい」

 

その夜サムエルは、神様からお言葉をいただきました。

その内容は先日、神の人がエリに語られた事と同じでした。それは将来サムエルが、エリに変わって、祭司としての働きをもする事の予告でもありました。

 

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「主が彼と共におられて、その言葉を一つも地に落ちないようにされたので、ダンからべエルシバまで、イスラエルのすべての人は、サムエルが主の預言者と定められたことを知った」

 

ある年のことです。ペリシテ人との戦いで神の箱が奪われ、祭司エリと二人の息子も亡くなりました。サムエルが聞いた預言のごとくでした。そんなこんなで、民の不安が高まった時、サムエルはシロに、12部族の主だった人々を招集しました。

 

「戦に負けた原因は分かっていますか。神の箱はお守りではない。目に見える物に頼るな。イスラエルの神は全能の神だ。目に見えず触れることもできないが、確実に存在しておられる。心を主に向け、悔い改めて祈れ。さすれば神はペリシテ人の手から我らを守られる」

 

 再びペリシテ人が攻めてきた時は、良く晴れ渡った日でした。そこに突然、黒雲が湧きあがり、雷鳴凄まじく鳴り響響き、ペリシテ人に襲い掛かりました。敵は驚き、士気が乱れ、総崩れになりました。イスラエルは、その機を逃すな!とばかりに、一気呵成に攻め立て、敵を蹴散らし勝利しました。それで、かって自国だった土地を取り戻したのです。これに懲りてか、ペリシテ人サムエル生存中は、イスラエルに近づきませんでした。

 

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 サムエルの働きは祭司であり、預言者であり、士師でした。ラマを拠点として、周期的にべテル、ミヅパをめぐってイスラエルを裁き、未来の預言者たちを育てていました。

 

ラマ:サムエルの働きの拠点です。エルサレム北10キロにあって、サムエル生誕の地。そこは彼の埋葬の地ともなりました。

 べテルラマの北8キロの所にあって、預言者学校を建てました。そこからの眺めは最高で、エバル山、ヘブロン、ミツパが見渡せました。

べテルにこだわったのは、アブラハム契約の相続人となったヤコブが、天の梯子を見た場所でした。それに「ヤコブ」改め「イスラエル」と改名した場所でもあったからでしょうか。残念なのは、後に子牛礼拝のメッカとなってしまったことです。

ミヅパ:ラマの西にありましたそこにも預言者学校を建てました。

 

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