祭司エリの後を継いだサムエルは、精力的に働きました。彼は祭司であり、預言者であり、士師であり、そして二人の息子の父親でもありました。
ラマを拠点として、周期的にべテル、ミヅパをめぐってイスラエルを裁きました。また、細々と生き延びた預言者たちを励まし、統率し、預言者学校では未来の若い預言者たちをも育てていました。そして、家族の待つラマに戻るのでした。と言っても、家族団らんの時はそう持てなかったかもしれませんね。
歳を重ねると、祭司職の仕事を二人の息子にも任せるようになりました。
しかし二人の態度は民を嘆かせ、神政政治に失望し、王政を求める理由の一つになってしまいました。
サムエルは、なんとか民を説得しようと試みますが、民の要求は強く、サムエルを悩ませました。
すると神様はおっしゃいました。
「ベニヤミン族のサウルを初代王とせよ」
それで、ミヅパに12部族の代表者たちを集めて「イスラエル初代の王だ」と宣言しました。サウル王生存中に次期王はダビデだと油を注ぎました。
これでサムエルは時代の転換期、イスラエルを神政政治から王政へ、士師の時代から王国への橋渡しをしたことになりました。サムエルは、イスラエル最盛期の輝かしい時代を見ることもなく亡くなりました。
サムエルの養成した若き預言者たちは、イスラエル王国の全土に散らばり、約500年以上も継続しました。
次回はサウル王と部下ダビデ(隠れ次期イスラエルの王)の時代に、働いた預言者たちのお話です。