読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

飢餓によってパロの手にしたものは・・

兄弟の足取りは軽かった。
ユダも一人も欠けることなく父の元に帰れることがうれしかった。

家が見えるとベニヤミンは駆け出していた。
使用人が知らせたのか、父親がテントの入り口に立っていた。
彼らは運んできた荷物を解くのももどかしく
父の元に集まった。

     「お父さん、無事にかえってきました」
     「よかった、よかった。欠けている者がなくって」
     「おとうさん、ヨセフ兄さんがいたんですよ」

ベニヤミンは端の方からうずうずしていた言葉を発した。
ヤコブは、はて?っと首をかしげた。

     「今なんと言った。歳をとった、耳が遠くなったものだ・」
ヤコブは手を耳に当てた。

     「おとうさん、実はエジプトでヨセフは生きていました。
      それも、エジプトの総理大臣になっていました」

ユダが少し声を大きくしていった。

     「な、何だって!!ヨセフがかい。
        あの獣に食われちまった息子がかい」

ヤコブはよろよろと立ち上がって、歩こうとして、ふらりと体が傾いた。

     「とうさん!!しっかりしてください
                大丈夫ですか!」

ユダが両肩を抱きかかえて父を坐らせた。

    「心配するな。あの子が生きているというのなら、
               その顔を見るまではな・・
     そうだったのか、はははは・・・生きてたか・・」

ヤコブ頬に涙がひかり、兄弟もまた泣いた。

その夜、10人の兄弟は父の元に集まった。

    「お父さん赦して下さい。
     今まで偽っていたんです。
     あの子が獣に食われたなんて・・」

ユダが言った。

     「私が率先して奴隷商人に売り渡したのです
      どんな責めでも受けます。
      弟たちは私の指示に従っただけですから・・」

ヤコブは黙って聞いていた。

     「よく話してくれた。
      今まで苦しかっただろうに・・
      ヨセフが言うように神さまが導いてくださったんだ。
      もうびくびくする必要はないんだよ」

ヤコブはそれ以上は言わなかった。

     
=== 恐れず進め!! ===                   
ヤコブは全財産を携え、
      総勢70人を伴ってカナンの地から旅立った。。。。
エジプトへ行くことは以前の飢餓の時、
神さまから止められていたし、
信仰の父アブラハムはエジプトから追い出されたこともあって
途中、ベエルシバで神さまを礼拝し
気になっていることも素直に申し上げることにした。

しかしそこで神さまは
「恐れるな」 
        とヤコブを励まされ、
        感謝しつつエジプトに向うことが出来た。

愛しいわが子ヨセフと、涙の再会を果たした。
抱き寄せるヨセフの逞しい胸の厚みを両の手に感じた時
ヤコブはこれで、何時死んでも悔いは無いと思った。

エジプト王パロも彼らを歓迎し
王の好意によってゴセンの地にも住むことができた。
そこはエジプトの地では最良の土地だった。

飢饉は益々激しさを増し、エジプトの国もカナンの国も衰えた。

エジプトの国とカナンの国にあった銀をみな集め
その銀をパロの家に納めた。

銀が尽きると、人々は家畜と引き替えに食料を手にした。

そして次の年には

「もう何もかもなくなりました。
 我々と土地とを食物と引き替えで買ってください。
 私たちはパロの奴隷となります。
 そうして種をください。
 そうすれば私たちは生きながらえ、土地も荒れないでしょう」

人々はすすんでパロの奴隷となり、土地を提供したのだった。

ただ祭司の田地は買い取らなかった。
祭司はパロが与える給与で生活していたので、
田地を売らなくても大丈夫だったから。

こうしてパロは
莫大な富と奴隷とを、飢餓と引き換えに
我が物にすることが出来たのだった。