エルコシ人ナホムは神様からお告げを受けました。
『神様はねたむほどに、ご自分の国民を愛しておられる。だから、その国民を痛めつける者どもに復讐する。アッシリアの首都二ネべを滅ぼす』
その昔、預言者ヨナは二ネべに行って預言をしました。
「滅びが迫っているぞ!」と。
当時、世界の国々はアッシリヤの脅威に辟易していましたから、滅びることは大歓迎でした。
しかし、神様はおっしゃいました。
「だから悔い改めよ!」
ヨナは、滅びのアッシリヤを期待していましたから、反論しました。すると予想外なお言葉が返ってきました。
「そこには善悪をわきまえない12万もの人たちがいるのだよ」
あんなにも優しいお心遣いを示された神様。
しかし今は、断固二ネべ滅亡を宣言しました。
アッシリヤは不信仰に陥ったイスラエルに、気づきの鉄槌として神様がお用いになった国です。
いつしか彼らは高慢になり、神様の哀れみによって滅びを免れたことなど、すっぽり頭から抜け落ちていて、暴虐、残虐で世界に君臨していました。彼らの蛮行は酷いもので、言葉にできません。
北イスラエルを滅ぼし、南ユダにも触手を伸ばしてきたこの時、二ネべ自身が滅ぼされるのです。
ヨシヤ王の時代には、預言者ゼパニヤもアッシリヤの滅亡について預言しました。
今、ナホムに語る神様のお言葉には、もはや哀れみのひとかけらも見受けられません。。。
ナホムの預言のその約20年後、バビロンとメディアの連合軍がアッシリヤを攻め囲みます。
それから2年後。
水利を生かした鉄壁な守りの二ネべに、災いが降りかかります。氾濫したのです。川が。
地の利を生かして築かれた、二重の城壁が彼らの自慢でした。
しかし、然しもの城壁も持ちこたえられず、首都二ネべは完全に崩壊するのです。ナホム書の言葉は鮮やかにその状況を描き出しています。
リビング訳は分かりやすくて怖いです。
『・・お前の最後を聞くものはみな、手をたたいて喜ぶ。だれもが、おまえの残虐な振る舞いに苦しんだからだ。』 3:19