ヨブ記
エリフは倒れながら自分の語った言葉に酔っていた。 確かにね、ぴょ! 彼の語った言葉はとっても素敵! 若さの放つ感受性は、 微かな空気の揺らぎにも、心底、心震わせる。 透き通った暁のきらめきは、ためらいがない。 闇の中を突き進んで、 溶け込んでいた…
膝がしらが震えている。 声が少し上ずっていたかもしれない。 ぶっ倒れそうな緊張感に、心臓が爆発しそうだ。 初めは物陰に隠れるようにして、 ヨブと三人の友人の話に耳をそばだてていた。 彼らの言葉を聞き漏らすまいと凝視した。 それが、失望の苛立ちに…
君は神に反抗するおしゃべりな反逆者だ。 昔から悪人が苦しむのは決まっているじゃあないか! 罪を罰するのは神のためか?そうじゃあない、人のためだ。 よしてくれ!! 神様は私に理由も示さずに私の敵となっておられるのだ。 私は今、神様が私の証人となっ…
ゾパルは風が過ぎ去るのを待って声を上げた。 彼は忍耐強く自分の時を待っていたのだ。 二人の友がヨブにやり込められているのを聞いていた。 歯痒くて、不愉快だった。 あくまでも自分は「潔白だ」と言い張るヨブ。 彼はあんなに強情っぱりだったかしらん?…
ビルダデはイラついていた。(# ゚Д゚) 「神は不公平だ」とヨブが口にしたからだ。 いつまでグダグダ言っているんだ! お前に非がなくても息子たちはどうだ。 お前が彼らのすべてを逐一見張っていたのか? とにかくだ、神様に許しを請うのだ。 昔の人の知恵によ…
『生卵の白身ほどまずいものはない。 それを見ると食欲がなくなり、 食べようと思っただけで吐き気がする!」*1 前回登録した聖書の個所でヨブさんが ちょ、ちょっと待って、ヨブさん!!と呼ぼうとしたけど、 あの状態の彼に言葉をかける勇気もなく、 それ…
ああぁ・・・可哀そうなヨブさん! 沢山の友人の中から振るいにかけられて、選ばれた彼らは真の友達。 どうかどうか、ヨブさんを助けてあげて! ヨブさんの悲痛な叫びが耳について、 ひよこはとっても悲しくて、ピヨピヨしているうちに え!!前回投稿日から…
次々と悲報が飛び込んできた。 家畜が奪われ、牧童たちか殺された。 それから子供たち全員が建物の下敷きになって死んだと聞いた時、 ヨブは言った。 『我裸にて母の胎を出でたり 又裸にて彼処(かしこ)に帰らん。 エホバあたえエホバ取り給うなり エホバの…
はて? エリパズは首をかしげた。遅いのだ。もうとっくにヨブからの招待状が届いてもいいころだった。毎年気の合った仲間が集まって、互いに情報を交換したり、意見交換をしながら親交を暖めていた。 どうしたのだ? そんなエリパズの元に、ビルダデの使いが…
な、何故こんなことが?! ど、どうして?! 平和につつましく生きてきたはずの私。 それなのに、突然、天が裂け、 その隙間から巨大な手が伸びて、 私の心の臓を鷲づかみにして、 振り回して笑う。 答えのない迷路の中で、 夜ごと一人で 泣き叫んでいるあな…