ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

モーセに続く者として・・

ヨシュアは最前列に立っていた。
目の前のモーセの長く伸びたひげが太陽の光を浴びて輝いている。
きれいだ・・・・

子供の頃
遊び仲間のゲルショムの父親が
有名な指導者モーセだと知った時
ヨシュアは非常に驚いた。

ある日ゲルショムがお茶に誘ってくれた。
彼のテントに入ると、甘い焼き菓子の匂いが待っていた。
母、チッポラはゲルショムの自慢だった。

それは本当に楽しいひと時だった。
それからはよくゲルショムのテントを訪ねたが、その父はいつも不在だった。

ゲルショムは言った。
「お母さんがね、君の事気に入ったみたいだよ。
この前、お父さんに君のことを話していたよ・・」


細かいいきさつは分らないが、ヨシュアモーセの元で働くことになった・


はじめ体の大きなモーセに驚き、そのふさふさとしたひげに驚いた。
深くそがれたような頬と太く引かれた眉毛、その下の小さく窪んだ目。

その目は時に鋭く、時に優しく、そしていつも深い湖のような憂いを湛えていた。

無口だった。
大概のことはアロンに代弁させた。

ヨシュアはそんなモーセが好きになった。

彼は絶えずモーセの傍にいて、彼の手足となるように気を配った。

あれから何年になるのだろうか。
モーセは老いてますます元気だ。


ヨシュアは自分の名を呼ばれ、はっと我に返った。
そうして例の憂いを含んだ小さな目と、目が合った。


最近モーセは、しばしばヨシュアを民に紹介していた。

それは自分の後を継ぐのはヨシュアしかいないと思っていたから。

そして神様からも許可が下りたからだ。

自分の目に狂いはなかったと、モーセはほっとした。

これで思い残すことはない。

若きヨシュアには、しっかりと後継者教育を施した。
指導者としての素質は十分に整った。

いや、ひとつだけあった・・・

ヨシュアと共にあの約束の地に、共に足を踏み入れることだった。

彼は祈った、ねばった。

しかし、神様の言葉はかわらなかった。

おまえはもはや足りている。
このことにはもう触れるな。

お前はピスガの頂から約束の地を見るのだ。
そしてお前は死ぬのだ。
ヨシュアを励ませ。彼を強くせよ。
彼らにお前の見る地を継がせるから・・」

モーセは自分の影が長く伸びて、若きヨシュアの足元に触れているのを見た。