読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

あなた方が、

   「あなたのおっしゃるとおりです。」

アハブ王はその言葉を、断腸の思いで、
敵方からの使者に伝えた。

今、サマリヤの町は
スリヤの王、べネハダデと32人の王たちからなる連合軍によって包囲され、
明日にも攻め滅ぼされようとしていた。
この美しいサマリヤを戦塵としてなるものか。
悩みぬいた末に出した結論だった。
敵からの要求はこうだった。

   「あなたの金銀は私のもの、
    その美しい妻と子供たちも私のものだ。」

それから時を経ずしてまた使者が来た。

   「あなたは賢い選択をした。
    しかし、それだけでは足りない。
    明日の今頃、私の部下が、
    家々をまわってめぼしい物を
    手に入れるぞ。」

アハブ王は玉座から滑り落ちそうなほどビックリして、
使者を別室に退かせ、
国の主だった者たちを集めた。

    「初めの要求も無理なものだったのに、
     今度は民をも巻き込むとゆうのですね。
     完全に我らはなめられています。
     王様、決して要求を呑んではなりません。
     たとえこの町が炎に包まれても、
     我らの意地を通しましょう。
     彼らの要求に屈してはなりません。」

沈痛な思いの中で導き出した結論だった。
使者からの言葉に、べネハダデは笑って言い返した。

   「わかっているだろうな。
    こんな町は、一瞬で、廃墟としてやろう。
    それが出来なかったら、
    神々が私の上にそのようになさるように。」

でも、イスラエルも負けてはいません。
戦うと決めたからには、
全力を尽くすしかありませんからね。

   「大した自信だ。
    絵に描いた餅だ。
    せいぜい腹を膨らましているがいい。」

アハブは、はったりをきかせて言い返しました。
使者はその言葉を
仮小屋で酒盛りをしていた連合軍の長、べネハダデ王に伝えました。

   「何をこしゃくな。」
王は連合軍の王たちの面前で、
杯を投げ捨てると言い切りました。

   「よし、準備せよ。出陣だ!」
それでも宴会はダラダラと続いていきました。

そのころです。
アハブ王の元に一人の預言者が現れて言いました。

   「主は言われます。
    今日、この大群をあなたの手に渡す。
    これで私が、あなたの主であると分かるであろう。」

立ち込めた暗雲が消し去るのを感じて、
アハブ王の顔に、たちまち生気がみなぎった。

   「だれにさせましょうか?」

   「アラムの侵入により、サマリヤに集まった首長に属する若者たちに。」
  
   「だれが指揮を」

   「あなただ。先制攻撃だ。」
232人の若者が集まった。
イスラエルの兵は7000人だ。

   「王様、サマリヤから人々が出てきました。」
見張りの斥候からの知らせが届いたのは、その日の昼過ぎだった。
なんと、べネハダデたちはまたも、酒の匂いに包まれていた。

   「ふっ、和解のためか?
      戦のためか?
    どちらにしても生け捕りにせよ。」

王は酒の匂いを撒き散らしながら言った。
彼らが抵抗したところで、
赤子の首を絞めるようなもの、
時間はかからない。
スリヤの連合軍は高を括っていた。

それが、あっとゆうまだった。
ありのように見えた彼らが
巨人となって連合軍を押し倒したのは。

べネハダデは馬に乗り、少なくなった騎兵に守られて、
ただ逃げるしかなかった。

   「王様、今回は地形が悪かった。
    彼らの神は山の神です。
    次回はヨルダン東部の平野で戦いましょう。
    必ず我らの勝利間違いなしです。」


思いもかけない大勝利にイスラエルの民はお祭り騒ぎになっていた。

   「来年の春にはスリヤ王が力を蓄えて攻めてくる。
    そのために準備せよ。」

預言者は王に、厳しい口調で言った。

あっとゆうまに春が来た。
べネハダデは再び大群を率いてイスラエルと対峙した。
平地を埋め尽くした敵陣に対して、
二つの小さなヤギの群れのようなイスラエル軍、哀れ。

   「前回はまぐれだったのさ。
    おい、見てみろ。
    あの数を・・」

若者たちもイスラエルの兵士たちも
みな気持ちは同じだった。

そのときだ。
再び預言者が現われた。
  
   「彼らは私が山の神だと言っている。
    この平地でも私の力を見せよう。
    わたしが、イスラエルの神であることを
    民が知るように。」

張り詰めた空気が6日間続いた。
7日目の朝、それが切れた。
どうしてそうなったのか分からないが、
気づけば、敵の歩兵10万は露と消えた。そして、
アぺクの町に逃げ込んだ2万7千の兵を、
なんと、城壁が崩れて彼らを飲み込んだ。

べネハダデにはもう、
隊を組みなおす、ゆとりも力も気力もなく
イスラエルからの最後の攻撃を待つしかなかった。
沈痛な面持ちで、額に手をあてるべネハダデに
部下が恐る恐る言った。

   「王様、アハブは気が優しいと聞いております。
    白旗を振りましょう。
    意にそまなくとも、ここは命あっての物種。
    我々がまず、捕虜の格好をして彼の前に行って見ましょう。」

家来たちは腰に破れた布を巻きつけ、
首に縄を掛けて、イスラエルの王の前にぬかずいて言った。

   「あなたの僕、べネハダデが 
   『どうか私の命をお助けください。』
    と申しています。」

アハブは玉座に腰掛け、その言葉を聞いて満足した。

  「彼はまだ生きていたのか。
   彼は私の兄弟だ。
   連れて来なさい。」

アハブは鷹揚に構えて言った。
気分は最高だ。

粗末な服を着、やつれて、
血色のよくないべネハダデは直ぐに来た。

今や立場は逆転だ。
アハブは屈辱の日々を踏みつけ、優越感に浸りながら、
哀れなべネバダデを高い玉座から眺めた。
そうしてさんざん自分の力を誇示してから、
彼を自分の車に乗せた。
それでもべネハダデは感激しまくって
アハブに言った。

   「私の父が、あなたのお父上から奪った町々をお返しします。
    父がサマリヤにしたように、
    ダマスコにあなたのために市場を設けてください。」

その後、アハブはべネハダデと契約を結び、
気持ちよく送り返したのでした。

    「このことで、私がお前たちの神であることを知るように。」
あの奇跡的な戦の始まりに、
預言者を通しておっしゃった神様のお言葉ですが・・・。
アハブはどう思っているのでしょうか?

彼の気持ちが伝わってきません。


  
    

広告を非表示にする