ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

足踏みしてる!

先日は日差しも暖かく、微風があって、洗濯日和でした。乾いた洗濯物に顔をうずめると、太陽の匂いがいっぱい!洗剤はやっぱり無香料がいいなぁ。

そぞろ歩きに梅園に行くと、いつもは人気の少ないその場所に、家族づれがシートを敷いて座っていました。子供たちの声が小さな広場を楽しく彩っていました。梅の蕾は硬くて、開花は二月下旬ごろかな。🌸

さて、心地よい気分で預言者をもとめて」を読み返して驚いた。( ゚Д゚)

ずいぶんとまだらで、エリヤとエリシャで足踏みしてる!!

とにかく整理、整理!

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 *****

預言者が活躍したのは、イスラエルが分裂してからですが、その以前にも、預言者的立場の人たちがいました。

預言者は、神様の言葉をそのまま選民イスラエルに伝える人で、励まし、失跡、警告、希望を与える人たちです。

ひよこは聖書の中で「預言者です」と書かれていない人も、その働きや言葉などから、預言者的な指導者と言うことで、「預言者をたずねて」に載せることにしました。

 

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いつの間にか、弟子ができちゃいました!

人々の反発をかったその日以来、私は町のあちこちにゲリラ的に出向いて、話をするようにした。

イスラエルの不忠実で神様の裁きが下るのだ。何とか悔い改めて、神様のお許しをいただけたらと、私は思うからだ。しかし、神様は私に裁きを語れと迫られた。

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 「時は刻々と迫っているぞ。飢饉だ!パンや水の飢饉ではないぞ。神様のお言葉を聞くことができなくなるのだ。あちらこちら彷徨い歩いても、神様のお言葉は見つからない。サマリヤ、ダン、べエルシバの偶像に膝まづくな。そんなことをすれば、二度と立ち上がれないぞ!」

その言葉は、たちどころに人々の態度を硬くなにさせた。やじや石が飛んできた。

ある日のことだった。いつものように私が語りだし、人々のヤジが大きくなった頃、群衆の後ろに一人の男が立った。真っ白な髪と髭とを、豊かにたくわえた男だった。周りの者が、ふと後ろを振り向いて言った。

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「あ!祭司様!アマジヤ様!」

その言葉で彼の前に道ができた。祭司アマジヤは、つかつかと前に出てきた。額に太い青筋を盛り上げ、怒りに満ちた突き刺すような鋭い視線。それが私を捉えていた。アマジヤの視線は、群衆の前に出てさらに強烈になった。私は、愛用の羊飼いの杖を握り締めて彼と対峙した。

「私はべテルの祭司アマジヤだ。お前のことを知らせる者があったので調べてみた。お前はユダの地からわざわざこの地に来て、町の人々の恐怖をあおり、揺さぶりをかけているそうだな」

アマジヤは集まっている人々に、念を押すように目をやった。そして、納得したようにうなずいた。

「よくもぬけぬけと言えたものだ。この国の繁栄が目に入らぬのか?建国以来の豊かさを極めたこの国が滅びて、民は他国へ連行されると言うのか?」

アマジヤは大きく頭を振り、顔の前で手を振った。

「お前は、『王様が殺される』と言ったな。お前は謀反人だ!王様殺害を企んでいる謀反人だ!」

おお!っと、二人を取り囲む人々が驚きの声を上げ、息をのんだ。

「ヤロブアム王様には、このことを告げてある。そして王様のご命令はこうだ。『預言者よ!この国から出て行け。この地で二度と、このような活動をするな。以後、我が国に入国するな!』と言われた。よいか、ここは王様の礼拝堂があるところだ。預言したければ、ユダの地でするがよい!」

祭司アマジヤは肩をいからせ、片足を一歩踏み出して叫んだ。

「はて、私を預言者と言うのですか?私は預言者ではない。ただの羊飼いだ。ユダの地で羊の番をし、果物を栽培していた者だ」

私は握りしめていた羊飼いの杖で、トントンと地面をたたいた。

「平凡な羊飼いの私に、神様は言われたのだ。『イスラエルの民に預言せよ!』と」

その時、かすかに地が揺れた。それに私の身がピリピリと反応した。すると突然、腹の底から突き上げてくる叫びが、私の口から飛び出した。

 

「聞け!祭司アマジヤ!これは神様のお言葉だ。『私に手向かう者よ。お前の妻は身を持ち崩し、この町で売春婦となるぞ。子供たちは殺され、お前は異教の地で死ぬのだ。この国の民も、異国の地で奴隷となる!』」

私の語る言葉に人々は怯え、祭司アマジヤは怒り心頭。

アモスを捉えよ!」

と手を振り上げて叫んだ。その手はプルプルと震えていた。

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人々がわらわらと飛び出してきて、私を囲んだ。

「神様の怒りは、すべての人に臨むのではない。お怒りは永遠ではない。神様は人をふるいにかけられるのだ。本当の信仰をもった選びの民を残すためだ。彼らは、荒れ地となったこの地に再び帰ってくる。そして彼らがダビデの町を再建する。これが神様の新しい計画だ。その時は必ず来るぞ。私が語ったことを忘れるな。災いはすぐそこまで迫っている。しかし祝福も後を追ってやって来るのだ」

突然、私の右腕が掴まれた。大きな手だった。その手は私をグイッと引っ張った。バランスを崩した私の体は、つんのめって転びそうになり、たたらを踏んだ。その拍子に人垣を破って外に出られた。

 

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「わあ、助かったんですね」

「そうなのだ、あの右腕を捉えた者が誰なのか・・・今でも不思議だ」

 

「それで・・先生は・・」

かたずをのんで私の話を聞いていた若い男が言った。

「その日を境に、私はイスラエルの地を後にし、ユダの地に戻った。故郷の地で、また羊飼いとして過ごすつもりだった。しかし、私が体験した事柄を記録にとどめておかなければ、と示されたのだ」

「そうだったんですか。いえ、今までお話を伺っていて、神様の私たちに対するご愛の深さ、その広さに怖れを覚えるほどです」

「本当にそうだ。私のような無名な羊飼いさえもお用いになられて、選民イスラエルのために警告を発せずにはおられないのだから・・」

私は窓の外に目をやった。午後の日差しは一段と厳しさを増していた。太陽の強烈な光は、地表に降り注ぐ矢の様だった。まぶしい!私は我知らず瞼を閉じていた。

「他人事ではないのだ。われらの地ユダもまた、神様のお裁きがまっている」

「え!ユダの地もですか?!」

いつの間にか、私の弟子だと名乗る若い男が頓狂な声を上げた。

熱気を帯びた空気が喉の奥に入り込んできた。そして、突然、強烈な喉の渇きに襲われて、私は席を立った。私の言葉は、押しかけ弟子が丁寧に書き留めている。ありがたいことだ。

「神様、羊飼いの私に、あのような使命を与えてくださって、ありがとうございました。これからも、あなたのためにお用いください」

それが日々の祈り、日々の行いとなっている、私の今日この頃なのだ。

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私の過ぎ去った過去。それが走馬灯のように脳裏を駆け巡っている。「ゴクリ」程よい湯加減のお茶が喉元を通り過ぎた。あっ、そうだった。あのことも忘れずに書き留めなければ。私は若い弟子の座る部屋へと踵をかえした。

 

それは起こらない!!

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ぶるるっ!と武者震いをした後、私は突然覚醒した。

水を飲み干した喉は、滑らかになり、干からびた声はハリをとりもどした。私の気もピーンと張って、若者のように勢いよく手を振りながら叫んでいた。

「皆さ~ん!私は幻を見ました。そこで神様は語られました。先ほども言ったように、神様はイスラエルを愛しておられます」

私の言葉に、会衆も手を振って応えてくれた。

「しかし、

『もう我慢がならない』

とも言われた」

「ええっ!」

会衆の間に困惑のざわめきが、幾重にも重なって広がった。

「それはなぜか?

『選民には律法が与えられている。律法を知っている民が、律法を軽んじている』

主は言われるのだ。知っているからには、選民としての責任が伴う。神様は罰する前に必ず警告し、逃れる道をいつも用意していた。

『しかしお前たちは、私の警告を無視し続けた。弱者を軽んじ、金のために正しい者を奴隷として売った。

正義はどこへ行った!

婦人たちはこの世の贅沢にとっぷり浸かり、路上で哀れみを求める者を無視している。

犠牲の供え物や祭りさえ、形だけで中身が伴っていない。

神殿で私を礼拝しながら、偶像に捧げ物をし、異教の風習にならって、神殿娼婦に身をゆだねている。そんなお前たちの犠牲の捧げ物には反吐が出る!!』

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その時、主の怒りにあたりの空気が共鳴して震え、私は恐ろしさに震えた。

幻はなおさらに続いた。

空を覆うイナゴの大群が、草原に襲いかかろうとしていた。

イスラエルの頭上には、焼き尽くす炎が待ち構えていた」

ぞわっと会衆の上に恐れが伝播した。

「その時、私は悲鳴を上げて叫んでいた。

『主よ!お許しください!

イスラエルにはとても耐えきれません!』

すると幻は揺らめいて消えて、

主のお声があった。

『それは起こらない』と」

パチパチと会衆が手をたたいて、安堵する姿があった。

私はそんな会衆を見ながら、気を引き締めなおして言った。

「しかし、次の幻が目の前に広がった。

籠に盛られた夏の果物だ。一見美味しそうだったが、芯が腐っていた。これが、今のイスラエルの本当の姿なのだ」

私は空の彼方を指さして声を上げた。

「祭壇のそばには主が立っておられた。

『柱頭を砕け。その破片を、

民の頭上に降り注げ』

礼拝者は剣に追われて殺され、残りの者は異国の地に奴隷として連れさられるとも言われた」

「そんなばかな!選民にそんなことが起こるはずがない!」

「そうだ!そうだ!」

「羊飼いの戯言だ!」

「気にするな!」

「それでいいのか?」

「へりくだろう。契約のお言葉に耳を傾けよう!」

「もう十分だ!」

 

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会衆の中から様々な言葉が飛び交い、ハチの巣をつついたように騒がしくなった。

「バシッ!」

私の胸のあたりに石が飛んできた。頭にも当たった。思わず手を顔の前に広げると、そこにも石は飛んできた。私はあわててマントで身を覆い、その場から逃れた。まだ日は高かったが、私の心は急速にしぼんでいった。足どりは重く、疲労感が体を地面に押し付けてきた。 

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ぞわっと、鳥肌が立って…

「皆さん、神様がどんなにイスラエルを愛し、慈しんでおられることか、私は語ろう。万物を創造なさった偉大なるお方。そのお方に選ばれたご先祖アブラハムアブラハムは偶像の町ウルで、神様のお目に留まった。神様はそこから彼をカランに導き出された。アブラハムは導かれるまま旅をした。神様は約束された。

『私、ヤウェに忠誠をつくすなら、乳と蜜との流れる地、カナンをあたえよう。子孫は繁栄し、子孫を通して全世界の人々が祝福される』

イサク、ヤコブへと系図は引き継がれ、ヤコブは神様によってイスラエルと改名した。飢饉が来るとエジプトへ逃れた。彼らは息子ヨセフのゆえに好待遇で迎えられた。そのころは小さな部族だった。その地でヤコブもヨセフも死んだ。ヨセフの死後、奴隷となって苦役に呻いた。

出エジプト!』そのための指導者がモーセだった。出エジプトは奇跡の連続だった。」聞き入る会衆がどよめいた。

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出エジプト出エジプト

モーセ、ばんざ~い!!」

イスラエルに祝福を!」

私は思わず両手を広げて彼らを祝福した。

「『出エジプト』後、荒野の中で十戒が与えられた。移動式神殿、幕屋も造った。祭司の規則も定められた。人口調査。水と食料の補給。約300万人の移動形態。満を持しての出発だったが、40年間も荒野の中をさ迷った。そして、代替わりを経て、いざカナンへ。しかしモーセは、カナンの地を眺望して亡くなった。彼の意志を継いだのがヨシュアだ。約束の地は棚ぼたしきには与えられなかった。信仰が試された。壁にぶち当たる度に奇跡が起こった」

「川の水がとまった!」

「城壁が崩れた!」

「太陽が止まったぞ!」

人々の叫びがさざ波のように広がった。私は彼らの声を制して話を続けた。

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「民が王を求めたときも、神様は受け入れられた。カナン定住後も周辺諸国からの攻撃に遭遇した。しかし、神様は守られた。選民に歯向かう者に対する厳しい裁きは、すでにお話ししたとおりだ。

イスラエルが二つに分裂して今に至っているが、両国ともに建国以来最大の繁栄を誇っている。神様はご自分が選ばれた民を決して見捨てない。主を誉めよ!主をたたえよ!われらの主に感謝せよ!」

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会衆の輪はさらに人を引き付けて渦となっていった。太陽はすでに中天を過ぎて、傾きだしていた。私は喉の渇きを覚えて、差し出された水を、ごくりと音を立てて飲んだ。

すると、目の前に、昨夜の光景が鮮明に表れて迫ってきた。一瞬、私はたじろいだ。

アモス、私の言葉を語るのだ。繰り返し語ってきた私の警告を、ここでもはっきりと語るのだ』

熱せられていた体に、ぞわっと鳥肌が立ち、私は身震いした。

火によって滅ぼされるのは…

次の日、私が広場に行くと、

一人の若者が、人だかりの中から飛び出して来た。

アモスさん、神様が罰せられるのはダマスコの他には、この4つではないですか?」

若者は少し興奮気味に声を張り上げた。

「選民イスラエルを苦しめる国は五つ。昨日はアラム(シリヤ)について話されたが、後はペリシテ 、フェニキヤ、エドム、アンモン、モアブだと思うのですが、どうですか?」

若い男は周りの者に目をやった。すると「そうだ、そうだ」と声が上がった。

アモスは人垣の中に、吸い込まれるように入って行った。

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「やあ、その通りだ。ペリシテの罪は何か?奴隷売買だ。ペリシテの五大都市のひとつガザは、アラムとエジプトを結ぶ通商路がある重要な町だ。その便を利用して、エドムに選民イスラエルを奴隷として売ったのだ。すべてのペリシテ人は徹底的に滅ぼされるぞ!」

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「選民を奴隷にするなんて、神様が許さないよ」ヒステリックに叫ぶ女の声が飛んだ。

ツロはどうなるんだぁ」輪の外から誰かが叫んだ。

「フェニキヤのツロは、地中海貿易で栄えている町だ。われらの偉大な先祖、ダビデ王やソロモン王の時から「兄弟の契り」を結んだ町だ。悪名高いイゼベルがアハブ王に嫁することでさらに深まった。だが彼女も、彼女の連れてきたバアルの祭司や預言者も最悪だった。結局、イゼベルは殺された。それに怒ってフェニキヤが攻めてきた。負け戦だった。民は捕囚となってエドムに引き渡された。裁きは火によって滅ぼされると主は言われる」

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エドはどうなんだ?」

エドム(エサウ)は、アブラハムのいとこ。これこそ血を分けた身内だ。それなのに剣で兄弟を追いまわした。その裁きもまた火によって滅ぼされる」

わぁ~!と声が広がった。

アモン人も罪を犯した。彼らの領土は荒れ地が多く、ギルアデの肥沃な地を絶えず狙っていた。エフー王の時、アラムの王ハザエルが攻めてきた。アモンはアラム側について、ギルアデを手に入れた。その時の残酷さのゆえに罪は免れない」

「確かに貧しい土地とはいえ、神様から与えられた我らの土地を奪おうなんて許されるはずがない」

「彼らの城壁は火で焼かれ、王も首長たちも捕囚として連れ去られると、主は言われる」

モアブはどうなる?」

アモスは乾いたのどに唾を押し込んでから言った。

「モアブがエドムに攻めてきた時、イスラエルの王アハブとユダの王ヨシャパテがエドムに味方した。その報復として、エドムの王は殺された。そのうえ王の骨は灰にされた。罪人でさえ、その骨は拾われて葬られるのに、モアブは王様の骨を灰にしたのだ。これは許されない。指導者たちは殺され、火によって滅ぼされると主は言われる」

 人々は神様の裁きの言葉を聞いて歓声を上げた。

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集まった人たちは、選民であることを誇っていた。

「今日の話はここまでだ。しかし、神様から選ばれたイスラエルの皆さん。私はこの国のためにも、神様からお言葉をいただいている。それを明日お話ししよう」

「我らのために?神様からお言葉が?なんだろう?」

「この国の繁栄は神様からの祝福だ。もっと他にも祝福があると言うのかい?」

「明日が楽しみだ」

彼らは気をよくして帰って行った。彼らの後姿を目で追いながら、さて明日はどうしたものかと、私の気持ちは沈んだ。

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