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ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

3度目の油注ぎを受けて・

サムエル記

ヨアブは気持ちよくヘブロンに戻ってきた。
ダビデが言った期間よりもずっと早く仕事を済ませての帰還だ。
その彼に次げる者がいた。

    「アブネルが来た」

彼はいきり立った。
仇と狙う相手が、こともあろうにヘブロンに乗り込んできて
それをダビデが大歓迎で迎えたとは・・・
聞けば、彼はダビデに
    「ダビデをイスラエルの王とすべく努力する」と言ったとか。
ヨアブは服を着替えるのももどかしく、ダビデのもとに赴いた。

   「あなたらしくもありませんね。
    彼はあなたを欺くために来たのです。
    この町を偵察に来たのですよ」

ヨアブの言葉にダビデは、

   「まあ、あわてるな。もう少し様子を見よう」

と言ったきり奥に引っ込んでしまいました。
ダビデとしても、この二人の将軍をどのように扱ったらよいか
まだ決めかねていたのだ。
怒りのこぶしを振り上げたままのヨアブは
すぐ部下を呼んだ。
ダビデからの使者と偽ってアブネルを連れ戻し、
弟アサヘルの仇を討つためだった。
そしてヨアブは高ぶる心を抑えて
言葉巧みにアブネルを部屋に引き込むと
彼の腹に深々とナイフを差し込んだ。

    はたしてその時、彼の心は純粋に、
    弟の事だけを考えていたのだろうか・・

その知らせはすぐにダビデに伝えられた。
彼は唸った。
早まったことをしたものだと思いつつも、その行動は早かった。

    「わたしとわたしの王国は、
     アブネルの死に関して何の罪も犯してはいない。
     その罪はヨアブとその家にある」

       (ちょっと王様、ダビデ様、ヨアブはあなたの右腕、
        それをばっさりと・・・いいんですか?
        「確かに、ヨアブもかわいそうだが、
         今は個人の問題ではないのだ。
         下手をしたら、イスラエル分裂をさらに悪化させ、
         統一を遅らせかねない問題なのだ」)

ダビデはすべて彼と共にいる者に言った。

    「アブネルのために嘆け。衣を裂け」

ヨアブは終始うつむいてダビデの声を聞いていた。
事が終わって、彼の中から何かが吹っ切れると、
いつもダビデから言われていた言葉が沸いてきた。

    「私情を挟むな」

彼は事の重大さに思い至って、
いたたまれない気持ちになった。それでも彼は
いつものようにダビデに従っていた。

アブネルの葬儀はしめやかに行われ、
ダビデは彼の棺の後に従った。
その墓の前でダビデは泣き崩れ、その姿に民も泣いた。
ダビデはその後、アブネルのための歌も作った。
   (20人の従者たちはどうしたのでしょうか?
    ある者は慌てふためいて逃げ帰った?
    もしかしたら、ダビデの言葉を聞いて葬儀に出席し
    その様子を逐一、イシボセテに報告したかも。
    そうかも)
    

サウルの子のイシボセテはビックリ仰天。
頼みの将軍の死に、なすすべもなく、
一人、寝室にこもる様になりました。

    「おいおい、これじゃあ、俺たちはどうなっちまうんだ。
     いっそのこと、王の首をダビデに差し出して、
     命乞いをするしかないな」

ってなわけで、ベニヤミン族出身の略奪隊隊長バアナとレカブは
昼寝をしていたイシボセテを襲いました。
     (卑怯者めがぁ・・)
二人は大急ぎでヘブロンまで行き
自らの身の安全を図るため、ダビデの前に
イシボセテの御首級を置きました。
彼らの吉報は、ダビデの訃報。

ダビデは大声で彼らを怒鳴りつけると
サウル王の死をつげに来た若者にしたように(殺されたんでしたね)
彼らにもそのようにしました。

可愛そうなイシボセテのそれは、
ヘブロンにある真新しいアブネルの墓に丁寧に葬られました。
その日ダビデは何も口にしませんでした。
周りのものが心配すると、

   「もしわたしが、日の沈む前に口に物を運ぶならば
    神様がわたしを罰せられますように」と言った。

これら一連の出来事を
じっと固唾を呑んで見守っていたのは、北部族の人たち。
ダビデの対処の仕方に感動し心開かれ
イスラエル部族の全ての代表が、ダビデのもとに来て言いました。

    「主は言われました。
    『あなたはわたしの民イスラエルを牧するであろう。
     また、その民の君となる』と」

こうしてダビデはヘブロンでイスラエルの民と契約を交わし
はれてイスラエル全部族の王としての、油注ぎを受けたのでした。
それは、彼が30歳でユダの王となってから、
7年6ヵ月後のことでした。

ダビデがサウル家の訃報を聞くたびに
深い悲しみに襲われるのは
サウル王とその息子でありダビデの親友でもあった
ヨナタンとの約束の故でした。
たとえダビデが王となっても、「サウル家は存続させる」
このことの故でしたが、それはことごとく崩れてゆきました。
それはダビデにとって悔いの残ることがらでした。