ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

山の上に立て!

「何を興奮しているのか?」

エリシャはエリヤにキラキラ輝く瞳を向けていた。エリヤは、その眼差しにぴたりと見つめ返した。


あなたは今や預言者のヒーロー。
そのあなたが常日頃愛用していらっしゃる外套を、若者の体に掛けられたのでしょう。
当然ですよ。
純真な彼の心を、エリヤさんが掻き立てたんですね。

あなたはご自分の働きの価値を知らなさ過ぎます。
イゼベルの魔の手を逃れ、荒野をさ迷い、一本のれだまの木の下で、『命をとってください。』とまで言ってしまったりして・・
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あのバアルの預言者との「祈り対決」以来、イスラエルであなたを知らない人はもぐりですよ。
毎日、12頭の牛を相手に、泥まみれ埃まみれ、汗水たらして働いていた彼もまた、「凄い! 僕だって神様のお役に立ちたい」と、志を立てたことでしょう。

もちろん、神様に日々祈っていたはず。

人と人との出会いの中で、「あっ!っと響くものを感じ取る瞬間って、あるんですよね。運命の出会い、というか。

この若者の祈りを神様はお聞きになり、エリヤを導かれたのでしょうね。

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彼の名前は「エリシャ」

彼は若者らしく、即、エリヤに付いて来たのだけれど、はっと我に返って言いました。
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「あ、あの〜。両親に別れを告げさせてください」

エリヤは、青年の熱い思いには気づかなかったのでしょうか?むしろ、自分の後継者として選ばれてしまったこの若者に、後ろめたさを感じていたのでしょうか?

だって、神様にお役目返上を、切々と三回も訴えた結果ですから。可愛そうに、この子に私の重荷を負わせることになるのか、許してくれよ・・・。
な〜んて、心の中で思ったりしていて・・だからつい・

「何を興奮しているんだね」

なんて言葉が出てしまったとか。
エリシャは機敏に振舞って、牛のくび木を薪代わりにして、とっておきの牛肉料理を作り、みんなに振る舞い、両親に別れを告げました。
漁師が船を燃やして収獲した魚を料理して振舞うようなものですね。「後戻りは出来ない。しないぞ」という意思表示。
うう〜〜ん。。。。
いっつも、どうでもいいことが気になるのですが、これでも随分と省いている。そうしないと先に進めないし・・
エリシャはエリヤを家族に紹介しなかったのでしょうか?
一緒に食事をしなかったのでしょうか?
したと思うよ。両親にも兄弟にも、一緒に働いていたみんなにも・・
  
そして期待に胸膨らませる息子を、不束者ですがどうかよろしく、って、親がエリヤに彼を託したと思うよ。

働き者の息子を突然手放すのは、親として辛かったと思うけど、後々、自慢の息子になるなんて、その時は、知るよしもなかったと思いますが。

さてその働きとは・・

その前に、エリヤさん、れだまの木の根方で寝てませんでした。さんざん駄々こねて、寝てました。どのくらい寝ていたのか?

ひよこは最長で丸々一日くらいかな・・
夜寝て、夜目が覚めたの。お酒なんか飲んでいたわけではないのに、です。

神様の使者が起こしてあげて、焼け石の上には香ばしく焼きあがったパンがあって、冷えひえの水まで用意してくれて。
「食べなさい」

彼、夢心地で食べて、海老のように丸まって外套ですっぽり体を覆って、子供のように、また寝てしまったんですね。
再び目を覚ましたら、また目の前に食料があって

「食べて体力をつけなさい。まだ先があるからね」

ですって。
この時も、神様の使者に起こしてもらったのだ。この最後の食べ物に、何か特別なものが混じっていたのでしょうか???

なぜって、これから40日40夜、歩きまくって、ホレブ山まで行くのですからぁ〜。その昔、モーセが神様から十戒の書かれた石板を頂いたあの山です。

二度も神様から食料援助をしてもらい、荒野のど真ん中で外套に包まって、寝っころがて、野獣にも毒蛇にもサソリにも襲われず、ぐっすり眠れたのに、それでも、神さまの保護が注がれていることに気づかないエリヤ。心が麻痺してしまったままだ。

山に着くなり大きな洞穴を見つけて中に入ると、ほっとして、、ひんやりとした空気が火照った体をやさしく包んで
彼はまたまた、深ぁ〜い眠りに落ちてゆきました。

さあ、ここからですね。
映像でこれからの場面を表現するとなると、大変大掛かりな場面になると思うのですが。
以前も、ありました。モーセです。彼は凄く積極的に、神様とのかかわりを求めていったような気がする。

モーセは神のおられる濃い雲(暗闇)に近づいて行った。』

そうして石板に彫られた「十戒」を頂くのですが。モーセの帰りが遅く、心細さから民は偶像を作っていたものですから、神様は言いました。

『お前たち先祖に約束した、カナンの地に行くがよい。しかし、私はお前たちとは行かない。偶像に傾くお前たちをいつ滅ぼしてしまうやも知れないから』

この時のモーセが凄かった。

『神様は私を名指しで選ばれて、大任を押し付けられた。この責任をとってください。顔を見せて!!』

って迫っていますものね。
それで神様もプルプルって感動なさって、


『顔を見せてあげたいところだが、そんなことをしたら、
 可愛いお前は私の威光に目がくらんで死んでしまう。
 そうだ、あの岩の上に立て。私が通り過ぎる時、私の手でお前を覆って、岩の裂け目に隠そう。

 それから、私が通り過ぎた後の、後姿を見るがいい。わたしは恵もうとする者を恵み、あわれもうとする者をあわれむ。』

それに比べるとエリヤさんはぁ〜子供っぽいですね。なぁ〜〜っちゃって。
(す、すみませ〜ん。あなたも素晴らしいです。)
実際に大群を率いて苦労する者と、単発的に現れて奇蹟を行う者のちがいなのか。ともかく、場面が似ているけど何かが違う。

エリヤは暗い洞穴の中で、神様の声を聞きました。

「エリヤよ、ここで何をしているのか」
「はい、私はぁ・・・」
 
あら、また愚痴ってます。それに、生き残った預言者は私一人だけだって、言ってます。それは誤認ですね。アハブの宮殿の管理人のオバデヤが言ってました。王様に内緒で主の預言者を匿いましたって。

「洞穴から出て、山の上に立ちなさい。」

その言葉の終わらぬうちに、轟音と共に突風が吹き荒れ、
岩が砕け散り、大地が揺れ動き、火が天から降ってきた。

神様が通り過ぎられたのです。エリヤは洞穴深くに逃げ込んで、ぶるぶる震えていると、

「エリヤよ。ここで何をしているのか」
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今まで聞いたこともない、ささやきのような優しい声が語り掛けました。エリヤはその優しさに引きずり出されるように、洞穴の入り口に這いずってゆきました。顔は外套で隠してですが。

「はい、私はぁ・・」

あら、あら、またですか、同じ事を言ってます。命が狙われているって・・神様はもうそんなエリヤの愚痴を聞き流して言いました。

「ダマスコへ行って(黙って行けってことじゃあないよね。)
ハザエルに油を注ぎ、スリヤの王とし、ニムシの子エヒウに油を注いで、イスラエルの王とせよ。
それから、
アベルメホラのエリシャに油を注いで、お前の跡継ぎとせよ。まだバアルに膝をかがめない預言者7000人が
お前と同じように戦っていることを忘れるな。」

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エッ!
仲間がまだそんなにいたんですか!
エリヤは驚きを隠せなかった。
そして勇気百倍。
体内のすべての細胞が、ぷちっとはじけて再生されたみたいで〜す。。
それに、
跡継ぎまで準備してもらっちゃいましたから、ルンルンで〜す。


人間って、一人では弱いけど、仲間がいると思うだけで心強くなるもの。エリヤは仲間の存在に気を強くし、後継者を得たことで責任感も生まれました。
そして、預言者としての強い自覚にさらに目覚めてゆくのです。      

彼は残された時を神様のために全力を注ぎ、後継者の育成にも心血を注ぎました。

だから、まだまだ彼の働きは続き、彼の最後は、弟子のエリシャも「あっ」と驚く展開となります。

エリヤさ〜ん! がんばって〜!

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