ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

逃亡中のダビデ

「父は君に殺意を持っている。逃げて!」

大親友サウル王の息子ヨナタンは言った。これからどうしたらいいのだ・・一瞬迷ったものの、ダビデの足はノブの町の祭司アヒメレクに向けられました。

アヒメレクは、預言者サムエルが仕えた祭司エリの曽祖父です。彼はダビデのただならぬ様子を見て取って、彼の求めに応じ、パンと武器を与えました。普通のパンではありません。祭司しか食べられない「聖別されたパン」をです。武器はダビデが少年の頃、巨人ゴリアテと戦って得た剣です。

後に、この行為はドエグの告げ口により、サウル王の知る所となりました。

祭司の町ノブを襲い、人も家畜もすべて殺せ!」

「祭司を殺す?!!」

家来たちは二の足を踏んだので、密告者のドエグに命令しました。

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この時、85人もの祭司が剣の下に倒れました。奇跡的にアビヤタルだけが助かって、ダビデと合流できました。それからはダビデと行動を共にし、祭司の務めを果たしました。

これは昔、幼子サムエルが仕えた祭司エリの元に、神の人が現れて言ったことの成就でした。

 「しかし、あなた(エリ)の一族のひとりを、わたしの祭壇から断たない」サムエル上2:33

 ダビデはノブの祭司のもとを後にすると、ペリシテの地に逃げました。敵地です。すぐ兵士に正体を暴かれ、王の前に引っ張り出されたので、咄嗟に狂人を装って難を逃れました。*1

それから、ユダの西部アドラムの洞窟に落ち着きました。ダビデは父の母親である、ルツの故郷モアブのミヅパへ行き、モアブの王に、ことが落ち着くまで両親を預かってもらいました。

その頃ダビデの周りには、約600人ものならず者が集まってきました。ダビデは彼らを訓練し、規律ある兵士に仕立てあげました。

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そんなダビデ預言者ガドは言いました。

「要害を離れユダの地に行け」

ダビデはユダのハレテの森へ移動しました。

「アドラムにあるケイラの脱穀場がペリシテ人に襲われている!」

毎年、収穫時期を狙っての強奪です。そこはジブの荒野から10キロくらいの近場でした。自分が動けば、サウルに居場所を知られてしまう。悩みました。それで二度も、神様にお伺いを立ててから、助けに向かいました。

一時、感謝されるも、サウル王の非難を恐れ、ダビデはケイラの人に密告されてしまいました。酷い!でもそれは想定内のことでしたから、ダビデはケイラの人々を非難しませんでした。

それからです。サウル王の追跡は激しさを増し、危うい場面もありました。

そんなこんなで「いつか捕まって殺される」と恐怖が募り、あろうことか、敵国ペリシテの、ガテの王アキシの所に身を置きました。「ここならサウル王も追ってはこれまい」ダビデはふんだのでした。滞在期間は1年4か月。アキシ王を巧妙に欺きながらの滞在で、これはこれで大変だったと思います。

その頃サムエルが亡くなりました。

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ペリシテはイスラエルに戦争を仕掛けました。アキシ王は絶大な信頼をダビデに寄せていたので、身辺警護を依頼しました。ビックリしたのは部下たちで、彼らの激しいブーイングで白紙になりました。それで良かったのです。アキシ王が不信をいだくことなく、サウル王と剣を交えなくて済みましたから。神さまの御配慮ですね。

この戦で、サウル王も親友ヨナタンも亡くなりました。

ダビデは神様の導きで、ユダのヘブロンに戻りました。

それから、サウルの子イシボセテと7年間戦って勝利し、晴れて、イスラエル玉座に座ることができました。

預言者サムエルから油注がれた少年時代、そして逃亡生活を経ての玉座ですから、感無量だったことでしょう。

念願だった「神の箱」を取り戻し、平和な日々が続きました。

戦いの中に生きてきたダビデは、いつも次の戦のことを考えていました。

「自国の国力はどうなっているか?」

それで、国政調査を部下のヨアブに命じました。それに対しヨアブは目を見張って言いました。

「神様がイスラエルを祝福しておられます。この上、国勢を知る必要がありましょうか?」

それでも強行したので、後味の悪い思いに悩まされました。これはダビデの神様への不信の表れでした。

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やって来ました!預言者ガドです。(っ´∀`c)

国勢調査をした罪です。三年の飢饉か、三か月の負け戦か、三日の疫病か、一つを選べ!」

ダビデは迷いつつ、断腸の思いで疫病を選びました。

一夜にして7万人が倒れました。神様はそれを憐れみガドに伝えました。

「エブス人アラウナの打ち場と捧げる牛を買い取って、祭壇を造れ」

ダビデはすぐ実行に移し、土地と牛とを買い求め、神様に燔祭としゅう恩祭をささげました。

 

ダビデからソロモンへと王国は受け継がれますが、ソロモンの代でイスラエル王国は分裂し、南ユダ王国と北イスラエル王国に別れました。

 南ユダ王国13代目のヒゼキヤ王の時に、大規模な宗教改革がありました。その時神殿の中から、ダビデ王や預言者ガドと預言者ナタンが書き残した、神殿礼拝音楽の指示書が見つかりました。それをもとにして、礼拝の時にはシンバル、竪琴、琴、ラッパなどで演奏し、聖歌隊ダビデ王作詞の歌を歌ったのでした。

 

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預言者ガド(割り込む→うち勝つ→成功するから→)幸福の意味があり、預言者として先見者として苦しい時代のダビデを支えました。また、自分の生きた時代の歴史書を書き残したようです。同時代に共に働いた預言者ナタンが次回登場します。

 

 

*1:詩編34篇はその時のことを歌ったもの