ピヨピヨひよこ日記

自分流に聖書を読んでいます。

聖書を自分流で読んでいます。

平和に暮らせ

ユダ王国最後の王様はゼデキヤ王です。

兄エホヤキム王が死んだので、エホヤキムの子エホヤキンが19代目の王様となりました。しかし在位三か月でバビロンへつれて行かれたので、叔父である彼が20代目の王様になったのです。

ゼデキヤ王治世の初期エレミヤに神様のお言葉が与えられました。

「綱とくびきを作って首に付けよ」

エレミヤは牛のようにそれを付けて、街中を歩きまわりました。案の定、人々の嘲笑の的になりました。

「バビロンが攻めてくるぞ!そしてお前たちの首にくびきを付けるぞ!!」

ゼデキヤ王在位4年目に偽預言者ハナ二ヤはエレミヤを押し倒し、くびきを奪い取って壊しました。神様が示されたことを罵った彼は、その二か月後死にました。

 Σ(・□・;)💦

そんなある日のこと、エレミヤの所に二人の使者が訪れました。彼らはゼデキヤ王からの使いでした

使者の一人は名を「パシュフル!?」Σ(・□・;)

エレミヤを捕まえ、足かせにつないだあの男か!と思いきやあちらは祭司インメルの子で、こちらはマルキヤの子。別人でした。あちらは18代エホヤキム王の時の出来事でした。

バビロンがエルサレムを包囲し、エルサレムは抵抗虚しく、二年後には負けます。

そんな危機的状況の近づいている中、藁にもすがる思いで、老預言者のもとに使者を遣わした王様でした。

13代ヒゼキヤ王の時、アッスリヤの大軍を一夜にして滅ぼされた奇跡がありました。今回も同様な奇跡を期待して、使者を遣わしたのでしょうか?

しかし、エレミヤの言葉は厳しかった。

「よろしいかな、今回、神様は敵国バビロンの側におられる。

バビロンはエルサレムの城壁を破って侵入する。それだけではない。恐ろしい疫病も主が振りまかれる。

昔、敵国エジプトを打たれた「伸ばした手と強い腕」それは今、イスラエルに対して振り下ろされる」

エレミヤは力みすぎて、ゴボゴボとせき込んだ。

使者は、思いもよらない預言者の言葉に茫然自失の体で、エレミヤを見つめてピクリとも動かなかった。

「王様に伝えなさい。エルサレムから逃げても捕まる。

最愛の息子たちが、目の前で殺されるのを見せられてから、王様の目がえぐり取られる。そして青銅の足かせにはめられて、バビロンに移される」

エレミヤはコップの水で唇を湿らした。

「神様は昔から、選民イスラエルを助けてこられた。神様は民との約束を忘れたりはなさらない。

しかし民はすぐに忘れる。そして困った時だけ助けを求める。

何度繰り返せばよいのだ。虫が良すぎるではないか」

エレミヤはテーブルの端に両手を置きながら、立ち上がった。それから陽ざしの差し込む窓際まで歩いて、窓を背にして使者に言った。

「それでも神様は、二者択一の道を残された。『いのちの道と死の道』だ。この町にとどまる者は、剣と飢饉と疫病が襲い掛かる『死の道』じゃ。

しかしカルデヤ人(バビロン)に白旗を挙げて捕虜となり、バビロンに行く者は生き延びる『いのちの道』じゃ」

エレミヤは何か言葉をつなごうとしたが唇は動かなかった。それで、右腕を大きく振って、帰るようにと使者を促した。

使者の後ろ姿がドアの向こうに消えるのを確かめると、先ほど座っていたイスに座りなおした。差し込む日差しが、いつの間にかエレミヤの足元に迫っていた。

明暗のくっきりと分かれた床に目をやると、深い息が年老いた預言者の口から洩れた。そしてゆっくりと目を閉じた。

その瞼の裏に若き日の己の姿が走馬灯のように映し出された。

16代ヨシヤ王様の時から、預言者生活が始まって23年にもなる。

若かったあの頃は無我夢中で走り回っていた。ヨシヤ王様も若かった。北上してきたパロ・ネコに、がむしゃらに挑んで戦死した。バビロンと戦っているアッスリヤを援助するための北上で、パロ・ネコはヨシヤ王と戦う気はなかったのだが・・・。

 

ヨシヤ王様の子エホアハズ(シャルム)が17代目の王となって三か月。パロ・ネコは、ハマテの地リブラに彼を幽閉し、ユダ王国に重税を課した。

そしてヨシヤの子エリアキムを18代目の王とし、名をエホヤキムと改めさせた。

前王エホアハズはエジプトの地で寂しく死んだ。

18代エホヤキム王様の治世の初めに、私は神様からお言葉をいただいた。それを礼拝に集う人々の前で披露した。

「この宮をシロのようにする!!」

その言葉に、祭司も偽預言者たちも怒った。そして主の宮の「新しの門」で私を訴えた。

「彼は死刑だ!」

群衆もそれに倣って連呼した。

しかし「彼は死刑に当たらない」

そう叫んだ人の声で、私は救われた。

歴史に詳しい長老や役人たちが立ち上がって、私を弁護してくれたのだ。

13代ヒゼキヤ王様の時、預言者ミカはエルサレムは石塚となり、宮は雑草に覆われる』と告げた。それを聞いた王様たちは罪を悔いて許しを願ったので、災いを免れた。エレミヤは、神の言葉を取次いでいる。彼に罪はない」

仲間の預言者シマヤの子ウリヤも私と同じことを預言していた。彼は迫害者たちを恐れ、エジプトに逃れた。しかし、連れ戻されて王様の命で殺された。

私は役人アヒカムの援助を受け、以前のように預言活動を続けられたが、あの時、ウリヤもこの地に留まっていたら・・と悔やんだものだった。

18代エホヤキム王様は自分の宮殿改築のため、無報酬の強制労働で民を駆り出した。そのうえ、エジプトからの重税も押し付けられたので、民の生活は凄惨を極めた。

民の苦しむ姿に心を痛められた神様は、『同様の苦痛をエホヤキム王は受ける』と私に告げられた。

あの時私も、王様に改善を求めたが、聞く耳を持たなかった。それで神様の厳しいお言葉を告げざるを得なかったのだ。

「エホヤキム王様の死は誰も悲しまず、王様はここからエルサレムの門まで引きずられ、投げやられて、ろばが埋められるように無雑作に埋められる」

 

エレミヤは椅子に座ったままだ。その体は微かに左右に擦れて、微妙な位置で元に戻っていた。机の上を小さな虫が横切った。

エホヤキム王様の治世に、バビロンが力をつけて来たので、エホヤキム王はバビロンに隷属した。バビロンはさらに勢力拡大のためエジプトと戦った。

結果はエジプト勝利だった。

するとエホヤキム王は密かにエジプトに寝返ろうとした。悪いことにそれがバビロン側に発覚したから大変。

バビロンのネブカデネザルは怒って略奪隊を送りこんだ。

その後は預言のごとく、王様の最後は惨めだった。

そのようなわけで在位三か月で19代エホヤキン王と高官たちと、手に職がある技術者たちなどが捕囚として、バビロンの地に沢山連れ出された。

神様は捕囚の民を「良いイチジク」にたとえ、抵抗しエジプトの援助を期待して残る民を「悪いイチジク」に例えられた。

🐤天地創造の後、ノアの箱舟で世界が一掃され、長い年月を経て、アブラハムに神様が声をかけられた時から、「神と共に歩むか、否か」の選択が与えられていました。

しかし今、瀕死に陥った木(イスラエル)を剪定し、最後の一節から芽吹く新芽を待つように、選民イスラエルに神様自ら、ハサミを入れられる。

痛みは伴うが、再生の道は残されているのですね。

エレミヤさんはまだ夢の中のようです。🐤

私エレミヤは捕囚の民のことが心配だった。それで、18代目のエホヤキム王様の治世4年の時「捕囚の期間は70年間」と神様がお示しになったその言葉を手紙に書き、バビロンへ行く信頼できる者に託した。

「70年後には帰れるから、家を建て畑を耕し、妻をめとって平和に暮らせ」

その手紙を読んだ捕囚の民は励まされ、誠心誠意バビロンの地で仕えたので、ある者は王様の信任を得るまでになってゆきますが、その話はまたの機会に‥。



夕闇の中でエレミヤの首が激しく揺れて、彼は目を覚ました。